今から追いつくBrexit特集2019

EUサミット前に第3回Meaningful Vote実施せず

2019/03/20
マネーパートナーズ

3月20日までにメイ首相の協定案の3度目の議会採決(第3回 Meaningful Vote)を行う予定であったブレグジットですが、英下院のバーコウ議長が「大幅な修正がない限りメイ首相の協定案の3度目の採決は許可しない」と発言したことにより3月20日の第3回 Meaningful Voteは行われないことになりました。

そのため、今後の展開としては3月21日から開催されるEUサミットに離脱期限の延期を委ねることになります。
EU側が提案する内容としては主に以下の3つが予想されています。

1.英国に明確な提案を求める

現状最有力と言われている展開であり、EUは英国の離脱延期を認めるとみられますが最終決定は下さず、メイ首相にもう一度、議会採決を実施する機会を与えるというものです。
この場合英国は3月29日までに第3回 Meaningful Vote(バーコウ議長の許可が必要)を行うかIndicative Vote(採決前の交渉や根回し)を行い、英国の明確な方針を決める必要があります。
更なる混乱を招いたバーコウ議長の発言ですが、バークレイEU離脱担当相は「協定案に賛成する議員が増えるなど状況が変われば、内容が変わる必要は必ずしもない」と発言しメイ首相も多数派工作を続行しています。
仮にバーコウ議長の許可が下りれば第3回 Meaningful Voteは3月25日~29日に行われる見通しになっています。そこでメイ首相の協定案を支持するか、離脱期限の長期延期するかの二者択一になると見られています。
協定案が可決されれば延期期間は短く、反対に否決されることになれば長期の延期が必要になると言われています。

2.短期延長(6月30日まで)

EUが6月30日までの短期延長を認める展開です。
バーコウ議長の発言前までメイ首相が想定していた延長期限であり、この場合はSoft Brexit(ソフトブレグジット)が有力視されています。
Soft Brexitとは、関税同盟残留やノルウェープラス型と呼ばれるようなソフト路線で、協調を優先した穏健な離脱であり、経済的にはEUの市場とつながりを保ったままEUを離脱することを指します。
しかし、短期の延長では現状を打開できないとEUは考えているため、EU側から短期の延長を提案する可能性は低いと言われています。

3.長期延長(1年程度)

EUの対英交渉責任者、バルニエ首席交渉官は19日の記者会見で「長期延期する場合、EUに政治・経済両面で大きな負担がかかるため、延期には正当な理由が必要だ」と主張しさらに、「長期の延期には新しい政治プロセスが必要だ」と述べています。
そのため、長期の延期を行う場合国民投票のやり直しや首相辞任・解散総選挙、EU残留なども視野に根本的に方針を見直すと予想されています。


しかし、現状の離脱期限は3月29日のままであり、3月13日に圧倒的大差で否決されたハードブレグジットに法的拘束力は無いため延期交渉がまとまらなければ、ハードブレグジットに陥ってしまう可能性もあります。

今後もブレグジットは要人発言やその報道により一日にして展開が大きく変わることが予想されるため、ブレグジットを取り巻く不安定な環境は先の見えないままになっています。