今から追いつくBrexit特集2019

Letwin(レトウィン議員)案が可決

2019/03/26
マネーパートナーズ

ハードブレグジット(合意無き離脱)への不安が高まる中、今週(3/25~3/29)開催予定の第三回 Meaningful Voteに注目が集まっていたBREXITですが、3月25日に与党・保守党のレトウィン議員が提示したBREXITの主導権を1日だけ、政権から議会に移す案が可決されたことにより新たな展開を迎えようとしています。

先日開催されたEUサミットの合意文書ではメイ首相の協定案を可決することが5月22日までの離脱延期の条件となっていました。
しかし、過去に2度大差で否決された協定案は依然として十分な支持が得られていなかったため、メイ首相は第3回 Meaningful Voteを見送る方針を示し、議会にハードブレグジットか離脱の長期延期を迫ろうとしたことによる求心力の低下がレトウィン議員の案が可決された背景にあります。

この案が可決されたことにより、英国議会では過半数の支持が得られる(可決できる)代替案を模索するため、27日にIndicative Vote(仮の投票)を行うこととなりました。
また、EUサミットではメイ首相が今週中に離脱案を可決できない場合、4月12日までに英国の方針を示すことを求めているため、Indicative Voteの結果が今後の方針を決める重要な材料になるのではないかと見られています。

Indicative Voteでは以下の6つの案が議論される見通しです。


1.メイ首相の協定案

上述の通り、メイ首相の協定案は過半数の支持を得られていない状況にあるため、Indicative Voteでもそれは変わらないだろうと言われています。

2.リスボン50条の撤回によるEU残留

「イギリスはEU加盟国の同意なしに一方的にブレグジットを取り消せる」とEUの最高裁にあたる欧州司法裁判所(ECJ)が判断しているため、ハードブレグジットが現実味を帯びてきた今この選択肢も視野に入ります。

3.第二回国民投票の実施

離脱延期を巡って行われた3月14日議会採決では野党・労働党の大勢が棄権したことから大差で否決された第二回国民投票の実施ですが、ブレグジットの中止を求めるウェブサイト上の署名が既に500万人を越えているため、改めて国民にブレグジットの是非を問う必要があるとの声が強まっています。

4.ソフトブレグジット

ソフトブレグジットは関税同盟残留や単一市場へのアクセス、EUと自由貿易協定を結ぶようなソフト路線で、経済的にはEUの市場とつながりを保ったままEUを離脱すること指します。
EUからの明確な離脱を目指す強硬離脱派からは保守党の公約に反する選択肢だと不満の声が出ていますがEUに歓迎されるという点で有力視されています。

5.メイ首相辞任・解散総選挙

最大野党・労働党は、いつでも内閣不信任案を提出することができ、コービン党首もその意思を示しています。
さらに、閣内からもその圧力は強くなり、閣議でメイ首相に辞任を迫り、政権ナンバー2のリディントン内閣府担当相を暫定首相に据える計画があったと報じられています。

6.ハードブレグジット

こう着状態が続く中、4月12日に離脱期限が迫りハードブレグジットの可能性が高まっています。
さらにEUサミットがハードブレグジットへの準備を完了したと発表したことが英国の不安を駆り立てています。


現時点でBREXITの流動的な状況に変わりはなく、決選投票などIndicative Voteの具体的な進め方は定まっていません。
また、過半数の支持が得られる代替案が見つからないおそれもあり、仮に意見がまとまったとしてもEUがその案を認める保証はありません。
そして、政府は必ずしもIndicative Voteの結果には縛られず、メイ首相も「どんな投票結果でも政府が実現するとは約束できない」と述べています。
しかし、Indicative Voteで議会の同意が得られた案を政府が実行しないことになれば、その案を実行できる政権を求めて解散総選挙が行われるだろうと見られています。

いずれにしても、Indicative Voteや第三回 Meaningful Voteの結果次第で今後の展開が大きく変わってしまうため、依然としてBREXITの方向感は定まっていません。