今から追いつくBrexit特集2019

第2回 Indicative Voteでも全ての代替案が否決

2019/04/02
マネーパートナーズ

BREXITは3月29日に行われた第3回 Meaningful Voteにおいて、またしてもメイ首相の離脱協定案が否決されたため、4月1日の第2回 Indicative Vote(仮の投票)で過半数の支持を得られる代替案を探すことになっていましたが、前回に続いて全ての代替案が否決されました。

否決された代替案は以下の通りです。


1.「関税同盟」案 273対276で否決

最も僅差で否決された案であり、EU離脱後も今まで通りの経済活動ができるように関税同盟への恒久的残留を行う案です。


2.「ノルウェー・プラス(共同市場2.0)」案 261対282で否決

欧州自由貿易協定(EFTA)に再加入し、欧州経済領域にとどまることで、ブレグジット後も単一市場にとどまる案です。
「包括的な関税取り決め」を交渉し、条件付きで人の自由な移動を認めており「共同市場2.0」とも呼ばれています。


3.「確認のための国民投票」案 280対292で否決

直ちに国民投票を行いBREXITの是非を問うのではなく、議会が可決した案の賛否を国民投票にかけるという案です。


4.「ハードブレグジット中止」案 191対292で否決

政府が協定案を可決できなければ議会は離脱日の2日前にハードブレグジット(合意なき離脱)について確認投票(議会採決)を行い、ハードブレグジットが否決された場合に限り、ブレグジットを中止するという案です。


第2回 Indicative Voteでも可決できる代替案を見出すことができなかったため、4月12日に迫るハードブレグジットがより現実的になっています。
そしてBREXITの今後の展開としては、具体的な内容は未だ決まっていませんが、4月3日または4日に改めて第3回 Indicative Voteが行われると予想されています。

なお、政府は必ずしも法的拘束力の無いIndicative Voteの結果には縛られず、メイ首相も「どんな投票結果でも政府が実現するとは約束できない」と述べています。
しかし、離脱期限が目前に迫っている以上、仮に第3回 Indicative Voteで意見がまとまれば、政府はその案を明確な方針として採用すると予想されており、それに必要な離脱期間の延長をEUへ申請し4月10日に緊急開催されるEUサミットに判断を委ねることになります。

一方で、第3回 Indicative Voteでまたしても代替案を見つけられなかった場合は、4月10日までの第4回Meaningful Voteの開催が噂されています。4度目の正直で可決されればそれをEUに申請することになります。

しかし、自らの辞任をかけて臨んだ第3回 Meaningful Voteで否決されたメイ首相の協定案が可決される保証はなく、第4回Meaningful Voteでまたしてもメイ首相の協定案が否決されれば事態はさらに深刻化することになります。
否決された場合英国は長期の延期を要請すると見られていますが、長期の延期となれば5月23日からの欧州議会選挙に英国が参加する必要性が生じてくるため、EU側も基本的な方針の見直しなどを条件にするといわれています。
その際の方針としては、国民投票のやり直し、関税同盟残留のようなより穏健な離脱であるソフトブレグジット、解散総選挙が予想されています。
メイ首相はかねてより総選挙の可能性を否定してきましたが、第3回Meaningful Vote後の会見ではついに「われわれは下院での手続きの限界に達しつつある」と総選挙実施を視野に入れていること示唆したため、総選挙を含め、かつては想定されていなかった方向へ進む可能性も高まっています。

そして、可能性の1つとして最も危惧されているのがハードブレグジットです。4月12日の離脱期限は刻一刻と迫ってきているにも関わらず、進展がないためハードブレグジットの可能性は日を追うごとに高まっています。
このまま可決できる離脱案を見つけられずに離脱期限を迎えてしまうか、EU側に申請を拒否されてしまえば現実のものになってしまうハードブレグジットを阻止するために英国が限られた時間の中でどのように対処していくのかが今後の展開を大きく左右することになりそうです。