今から追いつくBrexit特集2019

10日EUサミットにおけるEUの決断は

2019/04/09
マネーパートナーズ

4月12日の離脱期限が迫るBREXITは複数回のMeaningful Vote、Indicative Voteを行うも依然として支持の得られる案を見つけることができない状況が続いています。そのような現状を打破するためにメイ首相は自身の協定案に反対の立場を取ってきた最大野党・労働党との協議に乗り出しました。

しかし、その協議も難航しており、労働党のワトソン副党首は「国民投票のやり直しがされないのであれば、労働党はメイ首相を支持しない」と発言し、さらには与党・保守党内部からも野党との接近に対する反発から、メイ首相辞任を求める声が高まっています。
このような事態を受けて、メイ首相は4月12日までに意見をまとめることが困難だと考え、6月30日までの再度の離脱期限延期をEUへ要請しています。

今後のBREXITの展開としては、4月10日に開催される緊急のEUサミットにおいて、英国の延期要請に対してEUがどのような対応を取るのかがカギを握ります。

6月30日までの延期にあたって問題となるのが、5月23日から始まる欧州議会選挙です。延期が認められれば選挙期間にEUに所属したままになる英国にも選挙に参加する必要が生じます。
離脱する予定の英国が選挙に参加することを好ましく思わない加盟国が出てくるのは当然であり、事実、フランスをはじめとした複数の加盟国が批判的な意見を述べています。
しかし、延期が承認されなければ現実のものと成り得るハードブレグジット(合意無き離脱)を望まないのはEUも同じであるため延期そのものは承認されるというのが市場の予測です。

はじめに、6月30日までの延期が認められた場合は、英国は引き続き解決策を探ることになりますが、その際には関税同盟残留や単一市場へのアクセス、EUと自由貿易協定を結ぶようなソフトブレグジットや、議会の解散総選挙が有力視されています。
ただし、ソフトブレグジットは保守党の公約である「関税同盟からの離脱」に反するため、保守党内からの批判は強くあります。
解散総選挙については、メイ首相は再三否定的な立場をとってきましたが、意見のまとまらない議会を見て、「われわれは下院での手続きの限界に達しつつある」と解散総選挙の可能性を示唆しています。

一方でEU側が英国の希望通りの延期期間ではなく1年程度の長期延期を提案する場合も想定されています。
EUのトゥスク大統領は、新たな合意形成の時間を確保するため、協定案が議会で承認されれば離脱を前倒しできるという条件付きで最長1年の延期を提案する姿勢を見せています。
ただし、1年の延期となる場合にはBREXITの抜本的な改革が延期の条件として求められると言われており、その際には首相の辞任・解散総選挙や国民投票のやり直しなどが視野に入ります。

現状では4月12日のハードブレグジットは回避できるというのが市場予測であるため、仮にEU側が延期そのものを認めずハードブレグジットに陥るという展開に進めば、市場への影響は非常に大きいと言われています。
以前は英国の独断でBREXITの撤回を決定することができましたが、今は撤回をするにもEUの承認が必要となるため、10日のEUサミットでのEUの決断が重要となります。