今から追いつくBrexit特集2019

欧州議会選を目前に控えた英国

2019/05/14
マネーパートナーズ

4月10日に開催された緊急のEUサミットにおいてBREXIT(英国のEU離脱)の期限は10月31日まで延期されることになりましたが、5月になっても大きな動きがないというのがBREXITの現状です。
しかし、BREXITそのものに目立った動きは無いものの英国では以下の出来事がありました。


1.統一地方選挙での二大政党の後退

英国では5月初旬に統一地方選挙が行われ、与党・保守党は事前の予想を覆すことができず1,334議席を失いました。しかし、事前の予想では保守党の減少によって最大野党労働党が議席数を大幅に増やすと考えられていましたが、労働党も82議席を失う結果に終わりました。
二大政党が議席数を大幅に減らした一方で躍進したのはEU残留を明確に支持してきた自由民主党であり、議席数を700以上増やしました。
従来の地方選挙では地域ごとの課題について為政者を選出してきていましたが、今回の選挙では各党のBREXITについての姿勢が選挙結果に表れたといわれています。
この選挙結果を受けて保守党のメイ首相は「国民が延期を繰り返すBREXITにうんざりし、早期離脱を望んでいる」と述べましたが、自由民主党のケーブル党首は「この選挙結果は国民がBREXITを望んでいないことを表している」と述べており、両者の解釈には大きな違いがありました。


2.欧州議会選への参加を表明

5月23日からは欧州議会選が行われます。10月末までの延長が決まった後も、メイ首相は早期離脱を目指し、1つの目標として欧州議会選挙開催前での離脱を掲げていました。しかし、早期離脱の実現に向けて敵対関係にある最大野党労働党との協議を重ねるもこれといった進展はなく、保守党内部からは野党との接近に対する反発からメイ首相の辞任を求める声が強まっていました。保守党内で起きているメイ首相退陣への動きを受けて、労働党のマクドネル氏は「労働党は近いうちに無くなるかもしれない政権と協議している」と協議の不透明さを語りました。
こうした状況下でメイ首相は5月7日に欧州議会選に参加する意向を表明し、離脱時期については「理想的には次期欧州議会が招集される7月初旬まで」だと述べました。
仮に7月初旬までに離脱協定案が承認され、離脱が実現されれば、欧州議会選には参加するものの、欧州議会には参加する必要はなくなります。


BREXITを実現できないために欧州議会選へ参加することになった英国ですが、統一地方選挙と同様に保守党・労働党の二大政党は苦戦を強いられています。直近の世論調査では早期離脱を目指す強硬離脱派が4月に結成したブレグジット党が支持率首位となっています。
ブレグジット党のファラージ党首は「今の政府や議会では意義のある離脱を実現できない」とメイ首相と保守党を批判し、「単一市場や関税同盟から抜ける完全な離脱」というメイ首相と労働党が目指すソフトブレグジットとは異なる離脱を公約として掲げています。
ブレグジット党は統一地方選には参加しませんでしたが、欧州議会選を足がかりに今後勢力を伸ばす可能性は十分にあるため、欧州議会選の結果が英国内の政治情勢を左右するのではないかと懸念されています。