今から追いつくBrexit特集2019

首相発言が更なる混乱を招くBREXIT

2019/05/22
マネーパートナーズ

BREXITは5月23日から始まる欧州議会選を目前に控えた中で、4月から継続していたメイ首相と最大野党労働党との協議が決裂し先行き不透明感が一層高まっていました。
そのような状況下での5月21日のメイ首相の発言が更なる混乱を招いてます。
メイ首相は「政党を超えた合意が得られなければ、英国はEUを離脱しないということが現実だ」と述べた上で、6月上旬に予定されている離脱協定案の審議の条項の1つに、2度目の国民投票の是非を問うためのIndicative Vote(仮の投票)を実施するかどうかを議論することを盛り込むと表明しました。
つまりは、直ちに国民投票実施の採決を行うのではなく、採決を行うことの是非を議論するという内容です。

メイ首相はこれまで民主主義に反するとして、国民投票のやり直しを強く否定してきただけに今回の発言の衝撃は大きく、与野党からは早くも批判の声が上がっています。
労働党のコービン党首や、メイ首相辞任後の保守党党首候補であるジョンソン前外相も反対の姿勢を表明し、保守党内の強硬離脱派は「BREXITに対する裏切り」だとメイ首相の即時辞任を求めています。

このように反対意見が強く、現状可決される見込みの薄いメイ首相の国民投票に関する提案ですが、仮に6月上旬の審議でIndicative Voteの実施が認められ、Indicative Voteにおいて国民投票のやり直しが認められた場合には、改めて国民に離脱の是非を問うことになります。

※過去に2回行われた国民投票に関するIndicative Voteの結果は以下の通りです。

3月27日反対295 賛成268 → 最多得票も否決
4月1日反対292 賛成280 → 最多得票も否決

仮に国民投票がやり直された場合も結果がどちらに転ぶかはわからないというのが現時点での市場予測となっています。
そのことを表すように、23日から始まる欧州議会選の事前の支持率調査では強硬離脱派が4月に結成したブレグジット党が保守党と労働党の二大政党を抑えて支持率首位となっていますが、EU残留を明確に支持してきた自由民主党も先日行われた英国統一地方選挙に続き躍進を見せています。
そのため、欧州議会選の結果が国民の声であるとし、欧州議会選を事実上の国民投票だと見る意見もあります。

目立った進展のないまま不穏な静けさを保っていたBREXITが、国民投票を巡るメイ首相の発言から再び熱を帯び始めているため、欧州議会選はもちろん、英国やEUの動向が市場を騒がせる日々が続くことになりそうです。