今から追いつくBrexit特集2019

6月の保守党党首選がBREXITの行方を左右

2019/05/28
マネーパートナーズ

5月23日から行われた欧州議会選挙は強硬離脱派の「ブレグジット党」が保守党・労働党の二大政党を抑えて第一党となり、進展のないBRXITに辟易している国民の声が強く反映されたと評されています。
欧州議会選が終わったBREXITの今後の焦点はメイ首相辞任後の保守党党首選となります。

BREXITの発端となった2016年6月の国民投票を機に辞任したキャメロン首相(当時)の後任として、メイ首相は長きにわたりBREXIT実現のために奔走してきました。
しかし、なかなか議会をまとめることができないことから次第に批判の声が強まり、ついには辞任を求める者が多くなっていきました。
そして、5月21日に提出した二度目の国民投票に関する案を巡って、メイ首相に対する批判がピークに達したため、6月7日に保守党党首(首相)を辞任することを表明しました。
辞任を表明した会見の中でメイ首相は「BREXITを実現できなかったことは非常に心残りだが、愛する国に仕える機会を持てたことを心から感謝している。」と発言するとともに「新たな首相がBREXITを率いることが、この国の最善の利益だとはっきりした。」と述べ、BREXITの未来を後任に託しました。

メイ首相の後任の座を巡る保守党党首選は6月10日から行われます。
保守党党首選では保守党所属の下院議員による議員投票を繰り返すことで候補者を2人に絞った後、決選投票を行い次期党首(次期首相)を選びます。
党首選は早ければ7月上旬にも終了し、次期党首(首相)が決まる見通しです。

次期党首候補としては既に10人が立候補を表明していますが、その中でも最有力と言われているのがメイ首相の離脱協定案に反発して外相を辞任した強硬離脱派のジョンソン氏です。
党首選にいち早く立候補したジョンソン氏は「合意があろうとなかろうと、10月末の期限までにEUを離脱すべきだ」と述べており、立候補した10人中、ジョンソン氏を含む6人が「ハードブレグジット(合意なき離脱)」を容認する姿勢を示していることから、ハードブレグジットへの不安が高まっています。
また、EUも既にメイ首相と合意した英国の離脱協定案に対する立場は変わらないと表明しているため、ジョンソン氏をはじめとする強硬離脱派が次期党首となった際には英国とEUが正面からぶつかる展開が予想されています。

しかし、ジョンソン氏をはじめとする強硬離脱派が党首になったからといって、BREXITの結末がハードブレグジットに限られる訳ではありません。
強硬離脱派が党首になればハードブレグジットを嫌って、内閣不信任案が可決され解散総選挙に進む展開や、下院議員の3分の2の賛成により総選挙が行われる可能性があるからです。
現在保守党は下院で過半数の議席を持っていないため、メイ首相辞任後の強硬離脱派による新政権が短命に終わる可能性は十分あります。
総選挙が行われ、関税同盟残留などEUとの経済的つながりを保ったまま離脱するソフトブレグジットを目指す労働党や、2度目の国民投票を経てEU残留を目指す自由民主党が躍進することになれば、ハードブレグジットではなく、ソフトブレグジットや2度目の国民投票が想定されています。


メイ首相辞任によりBREXITを取り巻く環境は一層複雑になっており、当面は保守党党首選が注目を集めることになりそうです。