マネパの英ポンド特集

いよいよ大詰め - Brexit交渉
- 英ポンド特別コラム -

2020/11/19
武市佳史

11月19日|いよいよ大詰め - Brexit交渉

 大詰めを迎えているBrexit交渉ですが、依然として見通しが立っていません。本日予定されるEU首脳会議(TV会議)の承認も見通しは立っていませんが、EU全27ヶ国の批准から逆算すると、最終期限と見られるのは“23日”。今後数日が“最大の山場”ということになります。

 もっとも難航する要因の一つである「漁業権」に関して、『フランスが譲歩の用意(英海域での漁獲量減少を容認)』と英テレグラフ紙は報じています。また英タイムズ紙は、仮に合意できなくとも『EUが予備的措置を講じる』と報じています。真偽のほどは定かではありませんが、これが事実だとすれば…?

 普通に考えれば「進展なし→交渉決裂→合意なきBrexit突入」へと意識が傾くと見られますが、ポンドを巡る不透明感はまだまだ予断を許せそうにありませんね。いずれにしてもポンドの急変動は、目前に迫っている…?


11月12日|これで「動き出したら止まらない」が終わったと見るのは…?

 “140.263円”へ上値を伸ばしたものの、その後は“139円割れ”へと値を落としているポンド円。英国が「(Brexit交渉の)15日合意」を目指しているのに対して、EU側が「15日週の後半に先送り」と発言したことが影響したと見られるところです。

ただ昨日の状況というのは、「先送り」が示されただけであり、「最悪の事態にはならない」との思惑が後退したわけではありません。つまり「ポジション調整(利益確定売り)が入った」と見るのが現時点では自然であり、合意困難が露呈しない限り「持続的なポンド売りは期待薄」と見るのが妥当というところでもあります。

ポンドのセンチメントを最も表すとされるユーロ/ポンドを見ると、依然として“200日移動平均線(本日は0.89245ポンド)”を割り込んでいる状況に変化はありません。つまり“下ヒゲ”を出してはいますが、現時点では“(昨日記した)収斂圧力”がかかっているに過ぎない…?

「少々上げ過ぎ」との印象が拭い切れていませんが、これで「動き出したら止まらない」が終わったと考えるのは、些か早計と見たいところです。


11月11日|「動き出したら止まらない」を地で行く展開…!?

あっさりと“140円乗せ”を達成したポンド円。「新型コロナ感染拡大」「無秩序なBrexit(EU離脱)」という2つのリスクは抱え続けているものの、前者は「(新型コロナワクチン開発で)最も恩恵を受けるのは英国」、そして後者は「(少なくとも)最悪の事態にはならない」との思惑が、それぞれポンド買いの後押しとなっている模様です。

ポンドのセンチメントを最も表すとされるユーロ/ポンドを見ると、実に半年ぶりに“200日移動平均線(本日は0.89245ポンド)”を明確に割り込んできています。いったん同ラインへの“収斂圧力”がかかるとしても、“リスク選好→さらなる円売り”がさらに強まることがあれば…?

「少々上げ過ぎ」との印象が拭えないものの、「動き出したら止まらない」という習性をも持っているポンド円。“もう一段の上値追い”には十分に警戒しておく必要があるかもしれません。目先のポイントとなるのは、“9/1~9/22の76.4%戻し(140.427円)”を超え切れるか?どうか?辺りか…。


10月29日|とりあえず一歩前進…!?

リスク回避の流れに巻き込まれて“134.880円”に下落した昨日でしたが、本日に入って“136円手前(本稿執筆時の高値は135.947円)”へと6営業日ぶりに反発しているポンド円。昨日まで“ロンドン”にて行われてきた「英-EU間協議(首席交渉官)」では、問題の3項目の内の1つである「公平な競争の確保」に関して、『合意文書作成の方向』と伝わっています。

協議の場は、本日より“ブリュッセル”へと移動します。そこで来月3日にかけて、「残項目の協議」を行うとされています。「漁業権」等にまだ大きな隔たりがあるとされていますので、先行きは不透明であることは変わっていません。しかし一歩前進したのは事実という中、さらに進捗ともなれば…?

くしくも来月3日は、「米大統領選」と同日です。先の見えない“大一番”という状況は、何も米国だけではなさそうです。


10月22日|安易なポンド買いには「少なからずリスクが伴う」…!?

予想に反して「首席交渉官の協議(対面)」が開催される運びとなり、“137.664円”へと急伸したポンド円。「無秩序なBrexit」が回避される可能性が浮上した格好だけに、“ポンド買い”の反応はある意味で当然ともいえます。しかし英-EUの双方を取り巻く環境は、決して芳しいといえないままです。

協議で話し合われる項目は、主に「漁業権」「公平な競争の確保」「将来的な紛争解決」と見られます。しかしながら協議再開が実現した現時点においても、「(少なくとも前2つは)溝が埋まっていない」ということが明らかになっています。つまりこれらを合意するためには、「どちらかの譲歩」では足りない可能性が高く、「双方の譲歩」それも「かなり大きな譲歩」が求められると見るのが自然です。しかしこれまでの揉めに揉めた経緯を考えれば、それを現時点で期待するというのは…?

明るい材料が飛び出したのは事実ですが、安易なポンド買いには「少なからずリスクが伴う」という認識は、しっかりと持っておきたいところです。


10月21日|対円・対ドルでは“上昇”しているが…!?

 昨日・一昨日と、対円・対ドルで“緩やかに反発”しているように、「ポンドを巡る悲観論」はここに来て幾分緩んだようにも見えます。しかしセンチメントを最も反映する対ユーロを見ると、逆に“下落”しているのが実状といえます。「ユーロが買われている」という要因があるのは事実ですが、依然として“不透明感”は拭えておらず、“上値の重さ”が意識され続けていると見るのが自然です。

暗礁に乗り上げる「Brexit交渉」については、英国側は「EU側の譲歩」を前提条件に掲げています。いわゆる「瀬戸際外交の復活」という格好ですが、それをEU側が受け入れるかは“微妙(…というより難しい)” …?

一方、EU側が懸念する「国内市場法案」に関しては、『離脱協定変更の際は議会承認が必要』へと修正することで、一応、下院は“通過”しました。しかしより強い抵抗が予想される上院では“未成立”という現状において、「首席交渉官の協議(対面)」が実現するかも微妙…?

「無秩序なBrexitは回避」という可能性が残っているのは事実ですが、まだまだ「ポンドが落ち着きを見せることはない(ヘッドラインに振り回される)」と認識しておく必要がありそうです。少なくとも現時点の材料では…。


10月14日|いよいよ明日(15日)が期限…? -Brexit交渉

 マーケット全般に進行した“ドル売り”を背景に、9月中旬より“反発傾向”を見せてきたポンド。しかし英政府が設定した期限(今週15日)が迫るにつれ、再び「合意なき(無秩序な)Brexit」への思惑が頭をもたげ始めています。

合意ができなければ、どうなるか…?簡単にいうと、WTOが定めるルールに則って「関税が課される」ことになります。しかしながら「国境を跨ぐ取引等に制限が掛かる」という可能性が指摘されていますので、現在は素通りしている国境での混乱は避けられないと見るのが自然です。ただでさえ現在の英欧経済は「新型コロナ・感染拡大」にて深刻な打撃を受けていることを考えれば…?

ポンドドルのテクニカル(日足)を見ると、昨日の下落にて“1.30ドルの大台ライン”をあっさりと割り込んでしまいました。次なるサポートラインと見られるのは“日足・一目均衡表先行スパン下限(本日は1.28663ドル)/100日移動平均線(1.28232ドル)”辺りとなりますが、最も注目されるのは“6/29安値-9/23安値を結んだ短期上昇トレンドライン(同1.2780ドル水準)”と見るのが自然です。いずれかで下げ止まれば“10/12高値(1.30818ドル)”に向けた戻りが想定されますが、そうでなければ…?

ジョンソン首相は本日、フォンデアライエン欧州委員長&ミシェル欧州理事会議長と電話会議を行う予定となっています。あくまで“ここでの進展次第”ということになりますが、昨日発表された英失業率は“3年4ヶ月来水準に悪化(4.5%)”、さらに「英マイナス金利導入」への思惑も見え隠れするなど、周辺のファンダメンタルズも芳しいとはいえません。ファーストアクションとして“過度に反応する”といった可能性についても、十分に注意しておきたいところです。


9月29日|まだ“楽観視”できる状況ではない…!?

 『近い将来のマイナス金利導入を否定』とのラムスデンBOE副総裁発言や、『(EUは)対英FTA文書の作成準備に入った』との英タイムズ紙報道を背景に、昨日のポンドは急反発しました。対ドルで“21日以来(1.29284ドル)”、対円では“18日以来(136.205円)”の高値を付けたのは、このためです。

一方で英・EUの双方からは、依然として『立ち位置の違いは大きい』『溝の深さは是正されていない』との声が漏れ伝わってきています。まだ“楽観視”できる状況とはいい難く、その意味では前記急反発も“期待しすぎ”といえなくもありません。

テクニカル的に見ると、対ドルは日足・一目均衡表の雲に“潜り込んだ”格好にはなりますが、まだ“かなりの厚み(上限は1.30502ドル)”を残しています。一方の対円は、そもそも“潜り込めていない(下限は135.975円)”というのが実状です。

あとは結果(ヘッドライン)次第というところですが、前記“昨日高値(1.29284ドル/136.205円)”の手前では、「急に上値が重くなる」という展開も、十分に想定しておく必要がありそうです。


9月25日|「いよいよ正念場」…!?

 “9/22安値(133.030円)”を底に、緩やかに値を戻しつつあるポンド円。“上値の重さ”は鮮明ではあるが、“底堅さ”も見え隠れしつつあります。

来週は「Brexit交渉(9/28日~10/1)」が再び行われる予定となっていますが、すでに英政府は「国内市場法案」の下院承認を取り付けています。審議の場は“上院(~11/末)”に移った格好といえますが、一方でEU側が求める「国内市場法案の撤回(違反箇所)」の設定期限は“9/末”になります。つまりこの交渉の最中に、当該期限を迎えることになってしまいます。

これまでの「交渉過程&立ち位置の違い(溝の深さ)」を考えれば、大きな進展は期待薄といわざるを得ないところです。一方で何が起こるかわからないのが「交渉事の常」であるのも、また事実です。さらにジョンソン英首相が自ら設定した(EUとの)交渉期限も、“刻一刻(10/15)”と迫りつつあります。

“底堅さ”が見え隠れしつつある現状ではありますが、ポンドを巡る思惑は「いよいよ正念場」といっても過言ではなさそうです。


9月18日|期待される「修正案」が、実は新たな火種…!?

 昨日のポンドは壮大な“往って来い”を演じ、ポンド円を“136円手前→134円半ば→136円手前”と揺れ動かしました。急落の要因は『英中銀、マイナス金利の有効性を議論』との報道であり、急反発の要因は『英国とのFTA(自由貿易協定)は合意できると確信』 というフォンデアライエン欧州委員長発言でした。

こうして“上値は重い”が“下値も支えられている”といった動きを見せているポンド円ですが、来週(21-22日)には「英議会・全院委員会」が予定されています。もちろん議題となるのは「国内市場法案」であり、提出されている「議会に拒否権付与の修正案」となります。

「EUが明白な誠実義務違反が行われた場合のみ」という付帯事項が付けられたことで、幾分なりとも「Brexit懸念は緩和」と期待されているのは事実です。しかしEU側が要求しているのは「違反箇所の撤回」であり、それには程遠い内容となれば…?

 「来週にも英下院は通過(可決)」と囁かれてはいますが、仮に通過しても「Brexit協議は先行き不透明」「却って暗雲立ち込める」という認識は、引き続き持っておいた方が良さそうに思います。


9月16日|“下げ渋り”こそ見られるが…?

 17日に予定される英BOE委員会(MPC)では、“ハト派色”の濃い傾向は続くと見られます(…というか、ほぼ確実?)。このため一部では「追加緩和」を意識した動きが見られ、また国内市場法案を背景に「Brexit懸念」も再燃するなど、ポンドを巡るセンチメントは悪化しています。

一方で“上値の重さ”こそ見られているものの、センチメント悪化に比べるとポンドの“下げ渋り(対円・対ドル共に)”が目立ちます。イベント前の「ポジション調整(往き過ぎを調整する動き)”」といってしまえばそれまでですが、少々違和感を覚えるのも事実です。

 本日は「FOMC」が予定されていますので、『“ドル売り”加速か?』、それとも『“ドル買い”へと巻き戻されるか?』の分水嶺になりやすく、その意味ではポンドにとっても重要なイベントといえます。しかしポンドを巡るファンダメンタルズが好転しない限り“もう一段のポンド売り(ファンダメンタルズとのギャップを埋める)”への懸念は、十分に想定しておく必要がありそうです。


9月10日|“200日移動平均線”で下げ止まった格好だが…!?

 7/30以来となる“136.731円”へ続落した後、“138円前半”へと急速に買い戻されて引けた、昨日のポンド円。「米株式の巻き戻し」という“ポジティブ”が背景にあると見られますが、一部で囁かれていた「Brexit協議中止」との思惑が後退したことも大きな影響を与えたと見られます。

英政府は昨日、「2019年にEUと取り決めた協定」に“極端かつ不合理な解釈が可能な条項が含まれている(北アイルランドの部分)”があるとして、当該部分を骨抜きにする「国内市場法案」を英議会に提出しました。これが前記思惑へとつながったものの、『今週の協議は予定通り行う』とバルニエEU首席交渉官が発言したことで、一応は後退しています。しかし当該法案の提出は“国際法違反”に当たる事案であり、それは英政府も認めている事実です。「EU側の怒り」を考えれば、「合意に至るかは微妙(困難?)」と見るのが自然な流れです。

“200日移動平均線(ポンド円:昨日は137.428円)”“200週移動平均線(ポンドドル:1.29300ドル)”に到達した(割り込んだ)昨日は、テクニカル的にも“巻き戻し”が入りやすかったといえます。それでもこれら状況を踏まえれば…?

すでに9/1高値から“6円近く(ポンドドルは600pips弱)”下げた状況ではありますが、「本格的なポンド売り」につながる可能性(リスク)は、まだ見据え続けておく必要がありそうです。


9月8日|またしても「Brexit懸念」…!?

 朔日のWebセミナーでもお話したように、またしても「Brexit懸念(合意なきBrexit)」が再燃しつつあります。原因となったのは、『10月15日までに合意できなければ「合意なきBrexitもやむなし」との意向を英国政府が固める』との報道が相次いだことでした。

実はジョンソン英政権は、今年2月にも『6月末までに進展がなければ、交渉を打ち切る』との姿勢を示し、しかし『交渉を継続』したという経緯を持っています。つまり今回に関しても「信憑性は微妙(未知数)」といった面があるのは否ませんが、一方でEU側は『交渉期限は10月末』と、以前より明言しています。これまでの交渉経緯を考えれば、「時間切れリスクが高まっている」ことに変わりはない…?

まだ「ポジション調整の範囲内」といった現状ではありますが、「本格的なポンド売り」につながる可能性(リスク)についても、しっかりと備えておく必要がありそうです。もちろん本日(8日)から再開される「英-EU主席交渉官協議」の、成り行き次第ではありますが…。


8月27日|「パウエル講演」の陰で、静かに…!?

 昨日もポンドは「最強通貨争い」を演じる中、一方の「最弱通貨争い」をしているのはほかならぬユーロです。このためポンドの方向性を最も顕著に表すユーロポンドでは、「7月以降のレンジ(0.98ポンド半ば-0.91ポンド半ば)」からの“下放れ(ポンド高方向)”が現実味を帯びつつあります。

昨日も記したように、ポンドのファンダメンタルズは“脆弱”です。一方で前記したように、テクニカル的には“ポンド高”が鮮明になりつつあります。もちろん「ファンダメンタルズとの乖離(ギャップ)」は、将来的に見れば“往き過ぎ→急落”を意識させるものといえます。このため楽観はできませんが、ただ目先という観点で見れば…?

 本日最大の注目は、何といっても「パウエルFRB議長講演」になります。このため“ドル主導”を想定せずにはおれませんが、しかしその裏で静かに“下放れ(ポンド高方向)”が進行しつつあることは、頭の片隅に残しておきたいところです。


8月26日|「ファンダメンタルズとの乖離」は気になるが…?

 “円全面安”の影響を最も受けたのは、ポンド円です。本稿執筆時には“140.129円”へと一時上値を伸ばし、“8/13高値(140.196円)”に迫る場面が見られました。主要通貨の中で、昨日のポンドは“最強通貨”だったといえます。

いわゆる「Brexit協議」は“年内合意”の可能性が徐々に低下していますので、ファンダメンタルズ的には“脆弱”といわざるを得ません。一方でこれまでの経緯からポンドのポジションは“売り”に傾斜しており、「パウエルFRB議長講演(ジャクソンホール)」を控えるスケジュール感から“ポジション調整(買い戻し)”を誘っていいます。

「ファンダメンタルズとの乖離(ギャップ)」を考えれば、将来的には“往き過ぎ→急落”を意識せざるを得ないがあるのは事実です。ただ前記“8/13高値(140.196円)”を突破するようなことがあると…?

 “140円ライン”に到達したことで、目先は“利益確定売り”が先行しやすいと見られます。それでもまだまだ、予断を許しそうにはありませんね。


8月6日|MPCを経て、“上放れ”は明確になりつつある…!?

 予想通りの「据え置き(政策金利&資産買い入れ枠)」であり、そして想定通りの「大幅引き下げ見送り(英成長&インフレ見通し)」でした。『債券買い入れは年内に完了』との見通しも示唆されており、少なくとも「マイナス金利には踏み込まない」との思惑がポンドを支えている感があります。

前回分でも記したように、ポンド円は「(短期の)三角保ち合い」からの“上放れ”が見え隠れしています。まだ明確という訳ではありませんが、このままの状況(堅調推移)が維持できれば…?

 “6/5高値(139.733円)”を突破する上昇に発展するかはまだ微妙ですが、少なくとも同水準に向けた“一段高”は見えてきた…?


8月6日|果たして「(大幅な)成長見通し引き下げ」は行われるか…?

 短期の「三角保ち合い」を一旦“上放れた”ものの、終値ベースで“押し戻された”ポンド円。4営業日連続で“上髭”を付けており、ここに来て“上値の重さ”が目立ち始めています。

“上値の重さ”の背景にあるのは、またしても「コロナ感染拡大」と見られます。1日に予定されていた「娯楽施設の再開」は“延期(2週間)”されており、北イングランドでは“行動規制強化(およそ400万人規模)”も実施されています。英経済の先行きを考えれば、“ネガティブ”といわざるを得ないのが実状です。

こうした中、本日は英金融政策発表(MPC)が行われます。「政策金利(0.10%)」「資産買い入れ枠(7450億ポンド)」は“据え置き”が想定されていますので、マーケットの関心は「英成長見通し/インフレ見通し」に集まっている印象があります。特に『V字回復を維持(ホールデン主席エコノミスト)VS V字回復は今後崩れる(テンレイロ政策委員)』でMPC内でも見方が割れていますので、“波乱の芽”は燻っているともいえそうです。

「コロナ感染拡大」を考えれば、「見通し引き下げ(下方修正)」が行われる可能性は十分にあります。ただ「年末の無秩序なEU離脱(ハード・ブレグジット)」というリスクを抱え続けている英国にとって、この段階で「センチメント悪化」を鮮明にさせることはあるだろうか…?

結果を見るまで“決め打ち”はできないものの、個人的には「(センチメント悪化を鮮明化するほどの)成長見通し引き下げは行われない」を基本としながら、ことの成り行きを見極めたいところです。


7月22日|こちらの堅調推移は「EU首脳会議」だけではない…!?

 同じく「EU首脳会議」での合意をキッカケに、上値を模索したポンド円。昨日は“136.437円”まで上値を伸ばしています。一方で、その後は“上値の重さ”が鮮明であり、テクニカル的には“上髭”も目立ち始めています。

「東京市場4連休」を控えるスケジュール感を考えれば、こちらも堅調推移がどこまで続くは微妙といわざるを得ないところです。ただしこちらは「新型コロナワクチン開発(英製薬大手アストラゼネカ+英オックスフォード大)」という、ポンド特有のポジティブ要因がくわわっている事実があります。

 GBPUSDは昨日“200日移動平均線(本日は1.27001ドル)”を突破し、現時点でも維持し続けています。このまま維持し続けることができれば、GBPJPYも“200日移動平均線(同137.629円)”の突破が見えてくる…?利益確定売りが入りやすい日柄ではありますが、こちらは“もう一段の上値追い”を期待したいところです。


7月14日|利益確定売りが誘われただけ…?

 「新型コロナワクチン」を巡る楽観論から、昨日は“巻き戻し”が先行しました。この流れに沿ってドル円は“107円回復”を見せていますが、一方でポンドは対円・対ドルで共に“続落”しています。「ポンド固有の売り材料」が跳び出したという訳ではなさそうですが、ポンドのセンチメントを最も表すユーロ/ポンドが“5営業日ぶり”に“0.90ポンド越え(ポンド売り方向)”を見せているだけに、少々警戒しておく必要があります。

ただ先ほど発表された英経済指標は、GDPが“悪化(予想:+5.5%、結果:+1.8%)”したものの、鉱工業生産は“予想通り(予想・結果共に+6.0%)”、商品貿易収支は“かなりの良化(予想:△82.00億ポンド、結果:△28.05億ポンド)”という内容でした。マチマチではありますが、「緩やかな英景気回復ペース」との懸念を覆すには十分な内容でもあります。

テクニカル的に見ると、ポンド円で“日足の雲割れ(本日の先行スパン下限は134.554円)”が見え隠れしていますが、一方ですぐ下には“6/22~7/9の38.2%押し(134.325円)”と合致する“7/10安値(134.277円)”が控え、さらには“20日/100日/50日移動平均線(133.797-599円)”が並んでいます。これを割り込むとさらに加速する可能性も高まろうかといったところですが、逆に下支えられると…?

神経質な展開は続きそうではありますが、「(昨日の下落は)利益確定売りが誘われた」と見るのが、現時点では妥当なところかもしれません。


7月10日|「分水嶺に急接近中」 - ユーロ/ポンド

 昨日の“リスク回避姿勢”は、めずらしく“円買い”で反応しました。しかもリスク通貨に対するのみならず、ドルに対しても“円買い”が進行しました。この影響にてクロス円は“全面安”の様相を示しており、ユーロ円や豪ドル円は“今週初安値”をそれぞれ割り込みました。一方でポンド円は“押し戻され”こそしていますが、“今週初安値”からは程遠い(およそ50pips)水準にて下げ渋っています。

バルニエEU首席交渉官は昨日、『英国との間には、依然として大きな隔たりあり』と発言しています。これは“ポンドのセンチメント”を悪化させ得る材料といえますが、現時点ではそうは動いておりません。これはポンドのセンチメントを最も的確に表すユーロ/ポンドが、7日に突破した“心理的な節目(0.90ポンド)”を維持し、さらに“下方向(ポンド高)”へと推移していることからも窺えます。

 こうした状況下、来週初(13日)にユーロ/ポンドの日足では「雲のネジレ」が発生します。「転換のシグナル」との見方が存在する反面、「急変動のサイン」との見方も存在する当該「雲のネジレ」…。個人的には「後者(急変動のサイン)」を期待していますが、 いずれにしてもその他通貨と一線を画すポンドにとっても「分水嶺に急接近」との認識は持っておきたいところです。


7月8日|ファンダメンタルズは芳しくないが、テクニカルは…?

 「コロナ感染第2波」「ハード・ブレグジット懸念」等、ファンダメンタルズ面でポンドを押し上げる要因は“皆無”といった状況は続いています。一方で前回記した「ネックライン(6/23高値:133.981円)」を突破したことで、テクニカル面では“下値の堅さ”が顕著になりつつあります。

現時点で特段の進展は見られていない「英国-EU間の交渉(集中協議)」を考えれば、過度の上値期待は禁物といえるかもしれません。しかしポンドのセンチメントを最も的確に反映するユーロ/ポンドを見ると、“日足・一目均衡表基準線&20日移動平均線(0.90202-191ポンド)”を下抜け(ポンド高)ており、ポンド全体を押し上げる要因として機能している印象があります。

ポンド円の次なる上値メドと見られるのは“日足・一目均衡表基準線(同135.744円)”、そして“6/16高値(136.342円)”です。センチメントは揺れ動いて(リスク選好⇔リスク回避)いますが、“もう一段の上値追い”が期待できる局面と見るべきか…?


7月1日|どちらに抜けるか…?

 ジョンソン英首相が公表した『50億ポンドのインフラ投資計画』を背景に、昨日はポンドが“最強通貨”となりました。バルニエEU首席交渉官の『通商合意は可能』『合意に向けて努力している』との発言も“後を押した”印象があり、6/23以来となる“133,950円”まで反発しました。もっともその後は「利益確定売り」等を背景に、“132.979円”へと押し戻されています。  昨日の反発にて、テクニカル的には「ダブルボトム(6/22安値:131.754円-6/29安値:131.946円)」を形成した格好になります。一方で“前記高値(133.950円)”は、「ネックライン(6/23高値:133.981円)」に押し戻された格好になります。

「どちらに抜けるか…?」 が、ポンドの“次なる方向性”を探る上では、極めて重要になってきそうです。


6月30日|「仕掛け的なポンド売り」への懸念は残るが、逆に「急反発リスク」も…?

 いよいよ本日(30日)、「ブレグジットの移行期間」を延長するための申請が“最終日”を迎えます。すでに英政府は「延長申請はしない」と通告し、EU側も「合意」している内容ですので、もしかしたら大したことはないのかもしれません。しかし遅くとも10月末まで(EU27ヶ国全てが批准する手続き等に2ヶ月程度の時間が必要)に「妥協点を見い出す」必要があり、それができなければ「ハード・ブレグジット」が現実のものとなります。「センチメント」は悪化しやすく、「仕掛け的なポンド売り」が発生してもおかしくない状況ともいえます。

しかし英国-EU間の交渉は昨日(29日)からすでに始まっており、それもこれまでの「テレビ会議」ではなく、相手の表情・空気を感じることができる「対面型」に変更されています。こうした中で“下げ渋り”を見せると、「交渉進展」を期待した“ポンド買い”が跳び出してもおかしくありあません。

テクニカルを見ると、対円・対ドル共に“日足・一目均衡表先行スパンの雲上限(本日は131.809円/1.22890ドル)”が迫っています。 “突き抜ければ(潜り込めれば?)”話は変わってきそうですが、そうでなければ…?

 「センチメント」は悪化しやすく、「仕掛け的なポンド売り」への懸念も残りますが、「急反発リスク」が潜んでいることも、頭の片隅に残しておきたいところです。