株やFXのみならず、暗号資産(仮想通貨)においてもゴールデンクロスは売買のタイミングを判断する重要な指標の一つです。本稿では初心者にもわかりやすくゴールデンクロスについて解説します。
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ゴールデンクロスは移動平均線という指標を使った取引サインになります。
移動平均線とは、過去の一定期間の株価や為替レートの平均値(主に終値)を線で結んだものです。日々の価格の細かな上下の動きをならし、トレンドの方向性を視覚的に把握しやすくするために使われます。
例えば、5日移動平均線は過去5日間の終値の平均、25日移動平均線は過去25日間の終値の平均といった形で計算されます。一般的に、期間の短い移動平均線は直近の価格の動きを敏感に反映し、期間の長い移動平均線はより長期的なトレンドを示します。

ゴールデンクロスとは、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上へ交差する現象です。
これは、直近の平均価格(短期線)が長期の平均価格(長期線)を上回り始め、相場の上昇の勢いが増していることを示す、強気の買いシグナルとして認識されています。
5日移動平均線が25日移動平均線を上回った場合など、短期的な買い圧力が優勢に転じたことを示唆します。

デッドクロスは、ゴールデンクロスと逆で、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下へ交差する現象を指します。
これは、直近の価格が下落傾向にあるため、相場が弱気へ転換する懸念が高まっていることを示す、弱気の売りシグナルとして捉えられます。
5日移動平均線が25日移動平均線を下回った場合など、短期の売り圧力が強まり、相場全体の勢いが衰退している状態を示唆します。

実際にゴールデンクロスとデッドクロスを取引にどう活用するかを見てみましょう。
ゴールデンクロスの事例
ビットコインのチャートで、5日移動平均線が25日移動平均線を下から上に突き抜けるゴールデンクロスが発生したとします。この時、「ビットコインが上昇に転じる可能性が高い」と判断し、買い注文を入れます。その後、実際にビットコインが上昇すれば、利益を得ることができます。
デッドクロスの事例
逆に、ビットコインの5日移動平均線が25日移動平均線を上から下に突き抜けるデッドクロスが発生したとします。この時、「ビットコインが下落に転じる可能性が高い」と判断し、保有しているビットコインを売却、あるいは「今後価格が下がるだろう」と見越して証拠金取引で売り注文を入れます。これにより、ビットコインが下落した場合に損失の拡大を抑える、または利益を得ることが可能です。

画像はtradingview から作成
ゴールデンクロスやデッドクロスは、非常に多くのトレーダーに利用されている有効な指標ですが、いくつか注意点があります。
ゴールデンクロスやデッドクロスは、あくまで「買いや売りのシグナルの一つ」として捉え、過信せずに慎重に取引を行うことが大切です。
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