アルトコインは、「Alternative Coin(代替のコイン)」を略した言葉で、ビットコイン以外のすべての暗号資産(仮想通貨)の総称です。
2009年にビットコインが誕生し、その基盤技術であるブロックチェーンの可能性が広く認知されると、多くの開発者がそれぞれの目的や機能を備えた新しい暗号資産(仮想通貨)を次々と生み出しました。これらのビットコインとは異なる特性を持つデジタル資産が、アルトコインと呼ばれています。アルトコインは、単なる決済手段や価値の保存手段にとどまらず、特定の機能を持たせたものから、スマートコントラクト機能などを基盤として、独自のルールで動作するアプリケーション群と参加者からなる 『分散型プラットフォームや経済圏(エコシステム)』を構築するものまで、多種多様な種類が存在します。
アルトコインが生まれた理由:ビットコインの「進化」と「多様化」

2026年1月現在、市場データサイトで把握されているだけでも2,800万種類のアルトコインの存在が確認できます。しかし、その実態は把握されている一部であり、新しいトークンが日々誕生していることから、その数は無数にあるといって差し支えありません。
アルトコインがこれほどまでに増え続けた背景には、大きく分けて2つの理由があります。
1. ビットコインが抱える課題の解決
ビットコインは、その非中央集権性やセキュリティの高さから高い評価を得ていますが、取引の処理速度が遅い、取引手数料が高騰しやすいといった「スケーラビリティ(拡張性)」の問題(スケーラビリティ問題)を抱えています。具体的には、取引の承認に時間がかかることや、利用者が増えると取引手数料が高騰しやすいという点です。アルトコインの中には、この問題を解決し、ブロックの生成時間を短縮したり、承認の仕組みを改善したりすることで、より高速かつ安価な決済を可能にすることを目指して開発されたものが多数存在します。
2. 新たな機能と用途の追加
ビットコインは主に「デジタル通貨」としての役割に特化していますが、アルトコインはそれ以外の様々な機能を持つように設計されています。例えば、契約を自動で実行する「スマートコントラクト」機能を持つものや、特定の産業(ゲーム、サプライチェーンなど)に特化したもの、プライバシー保護に重きを置いたものなど、その目的は多岐にわたります。
主要なアルトコイン:それぞれの特徴と役割
アルトコインの機能や目的は多岐にわたります。ここでは、時価総額や特性において特に重要度の高い代表的なアルトコインについて、その特徴と役割を紹介します。
イーサリアム(Ethereum / ETH):スマートコントラクトの基盤
イーサリアムは、時価総額でビットコインに次ぐ最大のアルトコイン(2026年1月時点)であり、単なるデジタル通貨にとどまらない、より高度な機能を持つプラットフォームです。
- スマートコントラクト: イーサリアムの最大の特徴は「スマートコントラクト」という技術にあります。これは、あらかじめ設定された条件を満たすと、自動的に契約が実行される仕組みです。これにより、開発者は特定のサービス運営主体(中央管理者)を介さずに、イーサリアムのブロックチェーン上で様々なアプリケーション(DApps / 分散型アプリケーション)を構築できます。
- Web3.0の基盤: イーサリアムは、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)といった、新たなWeb3.0の経済圏を生み出す基盤となりました。イーサ(ETH)は、これらのサービスの取引手数料(ガス代)として利用されるため、単なる投資対象以上の実用的な価値を持っています。
イーサリアム(Ethereum)とイーサ(ETH)の違い
厳密には、
「イーサリアム(Ethereum)」は技術基盤であるブロックチェーン・プラットフォームそのものの名称を指します。一方、
「イーサ(Ether/ETH)」は、そのプラットフォーム上で使用されるネイティブトークン(暗号資産)の名称です。ガス代や取引の決済に使われるのは、この「イーサ
(ETH)」です。一般的には区別せず「イーサリアム」と呼ぶことも多いですが、両者は指し示す対象
(名称)に違いがあります。
- 発行上限 なし: 固定された上限はありません。この「発行上限がない」という性質は、固定された上限を持つビットコインと比較してインフレ的な特性を持つ側面があります。しかし、ネットワークの利用量に応じて取引手数料の一部がバーン(焼却/消滅)される仕組み(EIP-1559など)が導入されており、市場の流通量はプログラムによってコントロールされています。このバーン(焼却)の仕組みは、流通量を制限して通貨の希少性を高める効果を持ちます。これにより、ネットワーク利用が活発な時には、新規発行量をバーン量が上回り、デフレ的な特性を持ちます。したがって、ETHの価値は、新規発行によるインフレ圧力と、バーンによるデフレ圧力のバランスにも影響を受けます。
ライトコイン(Litecoin / LTC):高速決済を目指す「デジタル・シルバー」
ライトコインは、ビットコインの技術を基に開発された最初のアルトコインの一つです。
- 迅速な取引: ビットコインのブロック生成時間が約10分であるのに対し、ライトコインは約2.5分と4倍の速さを実現しています。これにより、取引の承認が迅速に行われます。
- 発行枚数: 発行上限枚数は約8,400万枚と、ビットコインの4倍に設定されています。その性質から、ビットコインが「デジタル・ゴールド」と称される一方、ライトコインは「デジタル・シルバー」として位置づけられています。
- 発行上限 約8,400万枚:ビットコインの4倍の枚数に設定されています。これは、ビットコインよりも日常的な取引での利用を想定した設計思想を反映しています。
ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash / BCH):取引の拡張性を追求
ビットコインキャッシュは、2017年にビットコインから分岐(ハードフォーク)して誕生した暗号資産(仮想通貨)です。
- スケーラビリティ問題の解決: 2017年当時、ビットコインの取引量が増加し、取引手数料の高騰や承認の遅延といった「スケーラビリティ(拡張性)」の問題が顕在化していました。ビットコインキャッシュは、ブロックサイズを拡大(誕生時は8MB、2018年5月のハードフォークを経て現在は32MB)することで、この問題を解決し、より多くの取引を一度に処理することを目指しました。
- 発行上限 約2,100万枚:ビットコインから分岐して誕生したため、発行上限はビットコインと同じです。
リップル(RippleNet / XRP):国際送金の効率化を目指す
XRP(エックスアールピー)は、銀行などの金融機関向けに開発された国際送金ソリューション「RippleNet」で利用される暗号資産(仮想通貨)です。(※一般にはトークン自体も「リップル」と呼ばれることが多いです。)
- 中央集権的な性質: ほかの多くの暗号資産(仮想通貨)とは異なり、マイニングによって新規発行される仕組みではありません。取引の承認速度が非常に速く(数秒で完了)、手数料も安いため、国際送金の非効率さを解消することを目指しています。
- 発行上限 1,000億枚:マイニング(採掘)で徐々に増えるのではなく、プロジェクト開始時に全量(1,000億枚)が発行済みです。そのうち大部分がリップル社によって管理され、段階的に市場に供給されています。
アルトコイン市場の勢いを測る 「アルトコインシーズン・インデックス」

暗号資産(仮想通貨)の投資家やトレーダーの間で特に注目されるのが「アルトコインシーズン・インデックス」です。これは、特定の銘柄群が、市場の主要通貨であるビットコインのパフォーマンスを上回っているかどうかを計測する指標です。
- アルトコインシーズンとは: ビットコインの価格上昇が落ち着いた後に、ビットコイン以外の多数のアルトコインがビットコインを上回る大幅な価格上昇を見せる時期のことを指します。
- インデックスの判断基準: このインデックスは、時価総額上位のアルトコインの一定割合(例:上位50銘柄の75%など)が、過去一定期間(例:90日間)においてビットコインを上回るリターンを出しているかどうかを計測します。
- 示唆するもの: インデックスのスコアが高い(または特定の基準値を超えている)場合、市場全体がアルトコイン主導の活況期に入っていると判断する材料となります。逆にスコアが低い場合は、ビットコインの優位性が高い、または市場全体が停滞していることを示します。
インデックスの利用価値
このインデックスを利用することで、個別銘柄の分析に加えて、投資家はマクロな視点からアルトコイン市場の活況度合いを把握できるようになります。アルトコインシーズン突入の可能性を予測し、投資戦略の判断材料の一つとして活用されます。
アルトコイン投資のリスクと注意点
アルトコインは高いリターンが期待できる一方で、以下のようなリスクも伴います。
- ボラティリティ(価格変動)の高さ: アルトコインの多くはビットコインに比べて時価総額が小さいため、価格の変動が非常に激しくなります。
- 技術的なリスク: 新しい技術やプロジェクトは、予期せぬバグやセキュリティの脆弱性を抱えている可能性があります。
- プロジェクトの継続性: 開発が途中で止まってしまったり、プロジェクトを支持する開発者やマイナー・バリデーターといったネットワークの維持者、そして一般の利用者の支持を失ったりするプロジェクトも存在します。
まとめ:アルトコインがもたらす未来

アルトコインは、ビットコインの登場によって開かれた新たなデジタル経済のフロンティアです。それぞれのアルトコインが独自の目的や技術を持ち、その多様性と進化のスピードは、金融やテクノロジーの未来を形作る重要な役割を担っています。
これらのアルトコインが示す将来的な発展に大きな期待が寄せられる一方で、プロジェクトの持つ特性や技術、市場での位置づけは銘柄によって大きく異なります。
そのため、暗号資産(仮想通貨)への投資や利用を考える際には、各アルトコインの特性やリスクを十分に理解し、個別のプロジェクトを深く分析することが非常に重要です。
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