マイネ
パトナの執事アンドロイド。
パトナ
暗号資産に興味を持ち始めた学生。
今日は、前回言ってたステーキングについてだよね。早速だけど、教えてもらえる?
かしこまりました。では 「ステーキング」について、ご説明いたしましょう。
少々長くなりますので、基本的な仕組みと参加方式の種類、リスク、資産の増え方について、3回に分けてお伝えいたします。
INDEX
まずは、ステーキングの基本からご説明いたします。
一言で申しますと、ステーキングとは「暗号資産(仮想通貨)をブロックチェーンネットワークに預けて、取引の検証に参加する対価として報酬を受け取る」ことを指します。
預けた暗号資産(仮想通貨)は、引き出しや売却が一定期間制限されます。
"定期預金"に似てるけど、違いとしてステーキングは元本保証じゃないんだったよね。えーと元本保証じゃないってことは、絶対増えるとは限らないってことか。
あと、受け取るのは利息じゃなくて"報酬"なの?
はい。これは、暗号資産(仮想通貨)のネットワーク運営に自身も参加して、その貢献への対価として報酬を受け取る、という仕組みなのでございます。
ステーキングはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)方式のブロックチェーンで実行できます。
あっ、PoSは覚えてるよ。イーサリアムとかで使われてるやつだよね。コンセンサスアルゴリズムって言うんだっけ。
はい。PoSでは、参加者の中から記録係に選ばれた人が取引を記録し、その他の参加者はその取引が正しいかどうかを検証します。この記録・検証を行う参加者をバリデーターと呼びます。
この、"取引の記録(ブロック生成)"と"検証"、それぞれに報酬が発生するのです。
つまり、ステーキングにおいて暗号資産(仮想通貨)を預けるという行為は、単に"預けっぱなしで報酬をもらう"という話ではなく、PoSの記録・検証に協力するという意味がございます。
資産を預けることで、"取引の記録係や検証係に立候補する"んだね。そうやってみんなでブロックチェーンを維持してるんだ。
その通りでございます。
ネットワークの安全性を保つためには多くの協力者が必要ですから、ブロック生成や検証といった"貢献"に対して報酬が発生することで、アクティブに活動してくれる協力者の数を維持するのです。
あ、そっか。ブロックチェーンは、取引の記録にたくさんの人が参加してくれれば、取引のズルが少なくなる仕組みだったよね。 🔗信頼を"国"ではなく"ネットワーク"で支える?暗号資産(仮想通貨)から学ぶ分散型台帳の力
さようでございます。
ですので、報酬という形で積極的な参加を促しているのでございます。
じゃあ、早速PoSのバリデーターになって取引の記録と検証にチャレンジしてみようかな!どうすればいいの?
お待ちください、パトナ様。
残念ながら、パトナ様の環境ではバリデーターとしての参加は難しいかと存じます。
え、なんで?
前に、PoWと比べて専用の機械も、膨大な電力量も必要無いって言ってなかった?
はい。確かにPoWと比べればその通りなのですが、基本的には記憶領域(ストレージ)の大きなPCが必要となります。
また、24時間常時オンライン状態を保つ、遅延の少ないネットワーク回線を用意するといったことも必要になりまして、"PCがあるだけ"では、バリデーターとして安定的に活動することはできないのです。
えっ、そうだったんだ……僕のPCは普通のノートパソコンだし、自分でも使いたいからずっと稼働させなきゃいけないのは無理だなぁ。
日常のスキマ時間にちょっとだけ検証に参加!みたいなやり方はできなさそうだね。
はい。その他にも、バリデーターとして参加する際の最低ステーキング量が決められている場合もありまして、イーサリアムなどは特にそのラインが高額になります。
そっかぁ。残念だけどステーキングは諦めるよ……
いいえ、落胆されるのは少々性急かと存じます。
こういった、設備を用意できない・預けられる資産量が少ないといった方でもステーキングに参加できる、別の方式もございます。
えっそうなんだ!どういうものがあるのか教えて!
かしこまりました。
早速、ステーキングの種類について、基本的な3つの方式から、ひとつずつ説明してまいります。
まずは、ネイティブステーキングです。
こちらは自前の環境でバリデータノードを運用して、ネットワークに直接ステークする方式ですので、ステーキングのための設備を用意でき、かつ、きちんと仕組みを理解している方向けの方式です。
これがさっき聞いた、バリデーターとして参加する方式なんだね。
はい。ネイティブという呼び名の通り、これがステーキングの"本来の方式"となります。
中間に別の運用者(バリデーター)や取引所などの仲介者がいないため、手数料などの第三者に支払うコストがかかりません。
ただし、設定や管理が複雑になりやすく、専門的な知識が求められる場面があるため、もっともハードルの高さを感じる方式かと思われます。
確かに設備投資とかのハードルが高いんだよね。
でも定期預金みたいに安定した報酬が貰えるって考えると、自分でやるぶん手数料が掛からないってところは魅力に感じるなぁ。
パトナ様。実は、ステーキングは定期預金と違い、安定した報酬を定期的に受け取れるかはわかりません。
えっ、そうなの?!
ええ、利息と違い、報酬とは貢献への対価です。そして、条件を満たせば誰でもバリデーターとして参加はできますが、常に自分が記録や検証を担当し報酬を受け取れるとは限らないのです。
例えばイーサリアムでは、バリデーターとして参加するためには1口(1ユニット)あたり32ETHが必要です。もし、倍の64ETHでステーキングしたい場合は、32ETHずつに分けて2口(2ユニット)として参加することとなります。
預ける資産さえあれば、一人で何口も立候補できちゃうんだ?
はい。そして、実際のブロック提案や検証の役割は、参加している多数のバリデーターの中から、ランダムに選ばれる仕組みになっています。
結果、ネットワークに何口もステーキングしている人の方が、記録係や検証係に選ばれやすくなります。
イーサリアム以外の暗号資産(仮想通貨)ではユニットという枠組みが無かったり、バリデーターとして参加するための必要資産も低く設定されていたりしますので、イーサリアムよりは参加しやすいかと存じます。
ですが、いずれの通貨でもステークする資産量の多さが選ばれやすさに通じる部分がございますので、その点はあらかじめご認識しておかれるとよろしいでしょう。
たくさん資産を持っているほうが有利なのか……
もし設備が整ったとしても、資金をあまり用意できない僕がやっても思ったような報酬はもらえなさそうかな。
残念ながら、その可能性は高いかと。
まずは改めてネイティブステーキングについてご説明させていただきましたが、次の2つは「設備を用意できない・預けられる資産量が少ない方でも参加できる方法」でございます。
デリゲートステーキングは、自分の資産を使ってブロックチェーンネットワークに関わりつつ、投票・検証は"他の参加者にお任せする"イメージでございます。
自分の暗号資産(仮想通貨)をステーク(預け入れ)して得たステーク権(記録者や検証者に立候補する資格)を他のバリデーターに委任し、自身は「デリゲーター」としてネットワークに参加することとなります。
委任したバリデーターがネットワークに貢献して報酬を得ると、委任した量に応じて委任者に報酬が分配されます。
資産はネットワークに預けるけど、自分では記録や検証をしないで、仕事を誰かに頼んじゃうってこと?
その通りでございます。
デリゲートステーキングは、記録・検証のための設備を、自分で用意する必要がございません。その点では、ネイティブステーキングより始めやすいかと存じます。
ただし、委任するバリデーターを選ぶ責任は自分自身にございます。
バリデーターが正常に活動していれば問題ありませんが、活動頻度が低下したり、もしスラッシングという、ルール違反に対する罰則を受けてしまったりすると、自分自身(デリゲーター)の受け取れる報酬額や資産にも影響いたします。
ちゃんとした人を、自分で選ばないといけないってことかぁ…。
はい。稼働率、オン/オフライン履歴、スラッシング(罰則)履歴、手数料(コミッション)などを確認し、総合的に評価して選ぶことがポイントです。
詳しくは、次回以降にお話しいたします。
了解。
ところで、委任された人が、報酬を独り占めしちゃう!みたいなトラブルはないの?
その点はスマートコントラクトが介在いたしますので、基本的に計算は自動化されております。ご安心ください。
取引所ステーキングは、自身で対象の暗号資産(仮想通貨)を用意したら、あとは"すべてを取引所にお任せする"方式でございます。
取引所ってことは、これはCeFiが代行するステーキングなのかな?
ご明察でございます。
先にご説明したネイティブ、デリゲートの2種はご自身でネットワークに参加するDeFiのステーキングでした。こちらは、取引所が提供いたしますので、CeFiによる代行となります。「CEXステーキング」とも呼ばれます。
取引所ステーキングの場合、名義は取引所で、運用も取引所が担いますので、ユーザーがネットワークに参加することはありません。取引所とだけ、開始・終了・報酬受け取りのやり取りをいたします。もちろん、設備投資も不要です。
ですので、これまでの参加方式と比べて一番ハードルの低い方式かと存じます。
デリゲートステーキングも設備不要だったけど、委任先をちゃんと選ばなきゃいけなかったもんね。
こっちは申し込むだけで済んで楽だなぁ!
なお、取引所ごとに手数料や運用方針などが異なりますので、検討される際はサービス概要や利用規約などを確認してください。
最後に、応用的なステーキングの形についてもお話しいたしましょう。
ここまでの3つのステーキング方式は、設備(ノード)負担や投票・検証といった役割に、自分がどこまで関与するか、という「ネットワークへの関与の仕方」に違いがありました。
次にご紹介する「リキッドステーキング」は、これまでの3つの方式とは少し性質が異なり、DeFiのステーキングに上乗せする追加オプションのような仕組みです。
リキッドステーキングは、ステークしたときに"代わりのトークン"が発行されるのが特徴でございます。
この"代わりのトークン"は、ステーキング終了時に預けた資産を返してもらうための引換券のようなものです。リキッドステーキングの革命的なところは、この「引換券」を担保にしてさらにDeFiで運用することも出来る点です。
えっ、ステーキングの報酬を受け取りながら、別の事にも使えちゃうの?
はい。ステーキング中の暗号資産(仮想通貨)が「寝かせたまま」の状態にならないのは大きなメリットでございましょう。
ただし、"代わりのトークン"の値動きが大きい場合、途中でトークンを売ると、受取額が「投資時点の資産価値+報酬」を下回ることがある(=トータルでは損をする可能性がある)など、通常のステーキングには無い独特のリスクがあるので、便利さがある反面、複雑な仕組みであることもご理解ください。
えーっと、自分でバリデーターになるネイティブステーキングと、委任する人を選ぶデリゲートステーキングと、全部お任せの取引所ステーキングがあるんだね。
そして、追加オプションとして預けてる間も代わりのトークンを使えるリキッドステーキングか……。
僕がやるなら、設備を用意できないしデリゲートステーキングか販売所ステーキングになるかなぁ。色々種類があって、どれも特徴が違うんだね!
さようでございます、パトナ様。
ステーキングと一口に申しましても、必要な知識・設備の幅や、受け取れる報酬の金額といった、"違う部分"がございますので、それぞれの違いを押さえておくことをお勧めいたします。
さて、今回はステーキングの基本的な仕組みと参加方式を解説させていただきましたが、ステーキングは元本保証ではないとお伝えしたとおり、資金が減ってしまうリスクもございます。
そっか、リスクのことも忘れちゃいけないよね。今日の話だと、報酬の貰い方は分かったけど、じゃあどうして減ることになるんだろう?
ちゃんと理解してからはじめなきゃね!
では次回は、ステーキングのリスクについて解説いたします。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
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