FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 小池正一郎コラム『為替大観』
為替大観

最新の記事

第611回 ~日銀利上げは円高への序章~

2025年01月22日

もしトラが1月20日正午に「またトラ」になった。正式に第47代アメリカ合衆国大統領に就任、これから4年間、世界は先行きの読めない覇権国リーダーと付き合っていかなければならない。政治、経済、社会、倫理、環境、、、とあらゆる世界でこれまでの常識を見直す戦いが動き出す。

早速、多数の大統領令を発布、就任前に公言していた多くの公約の実現に動き出した。すべてがすぐに実現するわけでなく、議会で審議を必要としている項目があるようだが、上院下院とも共和党が過半数を得ているので、時間はかかってもトランプ大統領の望む方向に進むと考えてよいだろう。このような不確定な時代、為替市場がどのような影響を受けるであろうか。トランプ二期目を見据えた為替市場について考えてみたい。

まず最初に認識しておきたいことは、「歴史は繰り返さない」点である。ドルインデックスで見たドル相場は、1期目2017年1月20日は100.64、在任期間中のレンジは高値が103.310、安値が88.253であった。この間100を超えた時点で「ドルが強すぎる」と言い、90を割ると「強いドルを望む」と、トランプ大統領は市場への牽制を繰り返した。参加者は素直に従い、結果、上記のレンジとなって、2020年末は89.923で終えた。

そして現在は、すでにこのレンジを上回っている。1月20日は過去の相場に倣いドル下落(109.453→107.917)となったが、NY終値は108.070、依然として一期目のレンジとは大きく乖離している。トランプ政権としてはこれから始まることになるが、これまで為替相場についての公の発言はない。唯一参考になるのは、ベッセント財務長官の公聴会での発言だが、しいて言えばドル高容認の言い方であった。

ただ、トランプ大統領の政策はインフレを生み、金利は上昇するとの見方が多い。一方で一期目には、「利上げはうれしくない」とか、利上げ牽制発言も行っており、金利上昇に歯止めがかかり、ドル高に大きく結びつかない可能性もある。しかし相場のボラテリティが大きくなることは間違いないであろう。

ところで、就任後のドル円の値動きを見ると、断続的に短時間(例えば30分足)で急騰や急落が起こっている。これまでも特別なイベントが発生するときに起こっていることでもあるが、この相場展開は、人でなくコンピューターの動きと読める。現場の声として耳に入ってくるのは、「今は方向は正直わからない。しばらくは日計り戦略だ」であった。変動要因としての金利差は依然として有効である。そこで市場の注目を集めているのは、今週の日銀の政策決定会合である。

予想は、0.25%の引き上げ。先週指摘したように引き上げ環境が整っている。オーバーナイト-インデックス・スワップで見た利上げ確率もすでに90%に上昇、10年国債利回りも年初来上昇を続け、すでに2011年4月以来の水準まで上昇、催促相場が続いている。ここで利上げがなければ、「何のための審議委員か」との声がでても不思議ではない。

そこで、今後1週間の相場予想であるが、ドル円は日銀会合で利上げを受けて154.00-156.50円と予想。またユーロドルは、今週はこれまでの下落の修正があると考え1.0300-1.0575とユーロ高を予想。ユーロ円は159.00-163.00円と先週と同値を予想。そして英ポンドドルは1.2100-1.2400のポンド強含みを予想する。

(2025/1/22、 小池正一郎)

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・SBI新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引、証券取引、および暗号資産CFD取引(暗号資産関連店頭デリバティブ取引)に関するご注意


【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。但し、一般社団法人金融先物取引業協会が為替リスク想定比率を算出していない通貨ペアにつきましては、一般社団法人金融先物取引業協会と同様の算出方法にて当社が算出した為替リスク想定比率を使用しております。取引手数料は無料です。なお、外貨両替については1通貨あたり0.20円、受渡取引については1通貨あたり0.10円の手数料をいただきます。

【CFD-Metals】
CFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。

【証券】
国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。有価証券のお預りが無く、一定期間証券口座のご利用が無い場合等は、別紙 ①「手数料等のご案内」に記載の 証券口座維持管理手数料1,100円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

【暗号資産CFD】
暗号資産は法定通貨(本邦通貨又は外国通貨)ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。暗号資産CFDは、取引時の価格の変動により、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。暗号資産CFDの取引に必要な証拠金は、取引の額の50%以上の額で、証拠金の約2倍までの取引が可能です。取引にあたり、営業日をまたいで建玉を保有した場合にはレバレッジ手数料が発生します。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人日本暗号資産等取引業協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 小池正一郎コラム『為替大観』