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第378回 ~ドル高は第3ステージで終わり~

2020年03月25日

3月3日のFRBの0.5%利下げから始まった市場の混乱が続いているが、その背景は変化している。第1ステージが、「新型コロナはアジアの問題といわれてきた時期」と考えれば、FRBが動きだした3月からは第2ステージに変わり、「金融による世界的な資金繰り不足への対応の時期」となった。

そして現在は、第3ステージに移ったと言える。「経済後退への救済策として政府の財政の投入決定」である。金融市場もこの政府の決断を評価し、まずは買戻しに大きく動いている。これでNosedive(真っ逆さま)となった金融市場が底を付け、最終的に上昇に転じたような勢いである。

そもそも、FOMCの予定は3月18-19日であったが、それを前倒しし、緊急会合で0.5%の利下げを決定した。その後、翌4日にカナダ(▲0.5%)、豪州(▲0.25%)、11日に英国(▲0.5%)と、利下げが続いた。12日のECB(欧州中央銀行)は利下げは行わなかったが、量的緩和の拡大を決定、その後再び利下げラッシュとなった。

13日にカナダが2回目の利下げ(▲0.5%)を実施、そして米国が、強力な一撃を放った。15日に1%の利下げ、4年4か月ぶりのゼロ金利(FFの誘導金利は0-0.25%)としたことである。発表は日曜日の午後5時、まさに市場の虚を突いた発表で、米国経済だけでなく世界経済を救うために、コロナに対する断固としたFRBの宣戦布告にも聞こえた。これは、一説には、トランプ大統領のFRBへの介入との見方もあるが、そうでなくとも、パウエル議長の「トランプ氏への忠誠を示すメッセージ」でもあろう。

16日には、日銀が、こちらも予定(18-19日)を前倒し、一日だけの会合で、量的緩和の拡大を決めた。FRBに比較すると、利下げもなしで小幅に聞こえるが、ETFは2016年7月以来の保有残高の増額(6兆円→12兆円)、LEITは2014年10月以来の増額(900億円→1,800億円)を決め、一定の評価を受けた。その後、16日にはNZ(▲0.75%)、19日には英国が2回目の利下げ(▲0.15%)を決めた。

しかし、FRBはこれで終わりではない。16日から連日のように、資金供給を強化する政策変更を発表し、今週月曜日(23日)には早朝(午前8時発表)から、無制限な資金供給策を発表した。企業信用枠、CP、MMFまであらゆる商品、手法を使って資金を供給する道を提供した。その結果、FRBのバランスシートはskyrocket(一直線)に急上昇、2月末の4.16兆ドルから3/18には4.67兆ドルと、リーマンショック後のQEの最大値4.5兆ドル(2015年1月)をも上回り、史上最大の資産残高となった。約3週間で5,100億ドル(約56兆円)の増加であり、今後も更新する可能性が高い。この動きは、世界的なドル資金不足を反映しており、ドル高の大きな要因であり、ドルインデックスは102.98まで上昇、トランプ大統領就任以来の最高値となっている。

そのほか、ドル高要因として、米国のコロナ対策費として2兆ドルの財政パッケージが議会で合意されたこと(議会指導者は、「これは米国歴史上、最大の米国救済パッケージ」と宣言)も大きなニュースとなっているが、海外では、GPIFの外債保有比率を25%に引き上げる(現在15%)ことも大きく取り上げられている。

ただ個人的には、米ドル資金不足で重大な時期は、決算期末の3月までで、4月になれば、資産売却の勢いは和らぐと予想されることから、ドル高も今月末に天井を打つものと考えている。
今後1週間は、決算までの最後の1週間、荒い動きになると考え、ドル円は、109~112円。またユーロは、対ドルでは、1.0700~1.1100、対円では118~121円、英ポンド/ドルは、1.1500-1.2100と予想している。

(2020/3/25, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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