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為替大観

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第257回 ~トランプ離れへの道~

2017年08月23日

 先週末に約4カ月ぶりに付けた108.60円で、今回のドル安局面は終了と考えてよいのではないか、という思いである。先週の1週間予想では、そこまで円安が進むとは考えていなかった。それが1円以上も予想以上にドルが売られた。個人的には、値幅的には小さいがセリングクライマックス(月曜日には、売り切れなかった筋のあきらめ売り)に近いのではないか、との認識を持った。

 市場心理が大きくドル売りに傾いていることに警戒感を抱いていたからでもあり、最近、朝一のスタートポジションづくりの方向を変更、今まで、売りから入っていたのを、買いから入ることにした。ただ日足の終値が21日線(8/23現在110.06円)を越えていないので、全面的にひっくり返すところまでは至っていない。まだ打診買い、というところである。

 ディーラー時代は、毎朝打ち合わせで、当日のディーリング方針を決めていた。ただ、今は一人打ち合わせなので、朝起きたところで、次のような手順で、その日の値動き、市場心理を読む。その方法はこうだ。

 まず、相場の方向性の基になっている柱(主要因)を確認する。そのうえで、前日の値動きやNY市場の終値から、市場参加者のポジション移動状況を類推し、それを前日のニュースなどの変動要因で紐付けする。そして本日の材料と今後の重要予定を加味、最後にテクニカル分析を行いチャートポイントを決め、当日の取引レンジを予想する。

 現在の柱は、トランプ政権の安定性と政策実行能力、中央銀行の金融政策の二点である。これらを判定するために必要な情報は新聞やマスコミからとれる。ここで気を付けたいことは、これら情報はあくまでもデータであり、そこで書かれる方向感や予想は一つのデータでしか過ぎない(筆者に書く予想も同じくデータである)。

 ここで、大事なのは、自分でシナリオを組み立てることである。これがインテリジェンスと呼ばれるもので、ヘッジファンド(主にマクロ)が得意としている。最近、そこに横糸として挿入していかなければならないことがクロ-ズアップされてきた、それが、トランプ大統領への信任の低下状況である。トランプ離れが進むと判断すれば、これまでの逆方向になり、ドルは上昇しやすくなる。支持率や関係者の行動、発言から探ることになる。

 このようにデータから自らの予想、シナリオを立てていき、その予想と実績との比較を集積し、自分だけの判断基準を作っていく。時間がたてばディーリング成績は大きく上達することが経験則で分かっている(その時間は、集中して3ヵ月)。明日からのジャクソンホール会議での、ドラギ、イエレン講演も重要なデータになる。具体的な手段やスケジュールを示す発言が出れば、大きく方向性が変わることになるので、注目したい。

 今後1週間の相場レンジは、ドル底値固めを予想し、ドル円は108.80-110.80円と予想。一方ユーロは、緩和政策終了に対する期待を背景に、対ドルでは1.1680-1.1880、ユーロ円は128.00-130.00円と予想する。
(2017/8/23、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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