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第644回 やや重苦しいムードも週後半に向けて徐々に晴れる!?

2018年10月22日

 件の「為替条項」に関わるムニューシン発言が相場に及ぼした影響は、大方想定していたとおり、ごくごく短期かつ軽微なものに留まった。さすがに先週15日の日本株は大きく下押すこととなったが、それは過剰反応というよりも「短期筋にとって格好の売り口実をわざわざ与える格好になった」と見るのが正解であろう。
 そもそも、近年において日本の政府・当局が直接的な為替介入を断行したという事実など断じてない。むしろ、日本がかつて米側に働きかけ、結局はトランプ氏によって反故にされた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の構想には、あえて為替操作防止条項が盛り込まれていたわけであり、当初は米国側もそれを高く評価していた。
 市場の一部からは「来年1月からの日米物品貿易協定(TAG)を巡る通商協議で、あらためて自動車関税や為替条項などが取り沙汰されることを警戒した動きが見られる可能性」を指摘する声がきかれたりもするが、さすがに来年1月ではまだ日があり過ぎる。目先の材料として捉えるのはかなりの無理があろう。

 翌16日にはNYダウ平均が前日終値比+547ドルと大幅高したこともあり、ドル/円は15日につけた111.63円を直近安値として底入れから切り返しに転じ、18日は一時112.73円まで出直る場面もあった。ただ、10月4日高値から15日安値までの下げに対する38.2%も押しの水準(=112.74円)に到達したことで、ここはひとまず戻り一巡という格好になった模様。英国のEU離脱交渉に関わる問題やいたイタリアの財政問題、さらにはサウジアラビアにおける想定外の事件など、次々に市場のリスク要因が噴出してくる最中にあっては円の下値も堅くなりがち(ドル/円は上値を押さえられがち)である。
 何より、先週は中国人民元や上海総合株価指数の下げが目立ち、相場全体にとっては相当な上値の重しとなった。もはや人民元は1ドル=6.94元台に乗せる展開となってきており、当面は心理的節目とされる7元トライの可能性に要警戒となる。
その一方で、上海総合株価指数は先週末にかけて一時的にも2500ポイントを下回る水準まで下押す場面があり、すでにチャイナショック後の2016年1月安値=2638ポイントを下方ブレイクしてしまっている。
週末19日には、中国人民銀行をはじめ中国証券監督管理委員会(CSRC)、中国銀行保険監督管理委員会(中国銀保監会)など金融当局トップが揃って、民営企業の資金調達の支援や、金融市場の安定維持に向けた支援策を実施する方針を示したことにより、上海総合株価指数も2550ポイントあたりまでやや大きく値を戻す展開となったが、週明け以降も一定の緊張感を持って見定めて行く必要はあろう。むろん、こうした政策対応を市場が十分に評価することで人民元や上海総合が下値を堅くするようになれば、市場では全体にリスク選好のムードが回復しやすくもなろう。

 やや明るい話題としては、先週15日の欧米時間においてユーロやポンドに一定のリバウンドが生じた点が挙げられる。イタリアの予算と財政の問題については、欧州委員会のモスコビシ委員によるやや寛容なイタリアに対する発言が安心感を誘っていた。
また、英国のEU離脱交渉については、メイ首相がEUの要求に一部妥協する姿勢を見せていたことがポンドの買い戻しにつながった。これは、英国内の離脱強硬派には到底受け入れられない内容であり「そのことでメイ降ろしが加速する可能性があるということ自体がポンド買いにつながった」と言ったら言い過ぎだろうか。
 サウジアラビアの問題も含め、足下には重苦しいムードが漂うが、それも今週後半に向けて徐々に晴れる可能性が高いと個人的には見る。米主要企業の決算発表の結果にも期待しつつ、リスク選考ムードがジワリ広がるなかでドル/円、クロス円が出直りをはかる展開を想定しておきたい。
(10月22日 09:10)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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