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第577回 仏大統領選の結果をひとまずは好感

2017年04月24日

 先週は、20日にムニューシン米財務長官が注目の米税制改革案について「公表する日は近い」、「年内に法案は成立するであろう」などと述べたうえ、翌21日にはトランプ米大統領が「26日に公表する」と米財務省内で記者団に表明した。
 結果、先週17日に一時108.13円まで下落したドル/円も週末にかけて109円台前半の水準を回復。現在108円台後半に位置する200日線や62週線、ならびに109.00円に位置する一目均衡表の月足「雲」上限よりも上方の水準で週末を迎えた。
 「法人や個人への大型減税も含む」とされる米税制改革案がようやく公表されることは米国経済やドルにとってポジティブであり、実際に先週はドルが買い直される場面も見られていたが、仏大統領選の行方や朝鮮半島情勢に対する警戒がドルの上値を押さえがちであったことも事実であり、その意味では今週・来週が一つの正念場とも言えよう。

 23日に行われた仏大統領選では、中道系独立候補のマクロン氏と国民戦線党首のルペン氏が5月7日の決選投票に進むことが確実となり、世論調査ではマクロン氏がルペン氏よりもかなり優勢となっていることから仏大統領選への警戒感は足元で後退している。
 一方、今週25日の北朝鮮軍創設85周年の記念日を控えて、なおも米朝間の緊張は続いている。なおも、米海軍の原子力空母カール・ビンソンを中心とする打撃群は朝鮮半島近海に向かっているとされ、自衛隊は護衛艦「あしがら」と「さみだれ」の2隻を佐世保基地から出航させ、米空母と合流して共同訓練を実施することが検討されているという。
 仮に北朝鮮が少々挑発的な行動に打って出たとしても、米国側が火力をもってそれに応じる可能性はかなり低いと考えるのが適当ではあろう。とはいえ、市場はいたずらに予断を持って相場と向き合うわけにも行かない…。
 また、明日から再開する米会議で28日に期限切れとなる暫定予算案の延長、新予算案の合意がなされるかどうかという点もいまだ気がかりではある。

 仏大統領選・第1回投票の結果を受け、とりあえず週明けのドル/円は110円台を回復する展開となっているが、まだ手放しでリスク警戒姿勢を緩めるわけには行かず、今しばらくはドル/円の上値余地が限られやすい状態も続くと見られる。
 今週末28日は4月末でもあり、一つには4月の月足・終値で月足「雲」上限より上方の水準に留まるかを見定めたい。米朝間の緊張が“暴発”でもしない限りは、やはり重要な節目である月足「雲」上限が下値サポートとして機能しやすいと見る。また、一定の上値を試す展開となった場合は、まず21日線が位置する水準(現在110.11円)をクリアに上抜けるどうか、次いで31週線(現在は111.19円)や週足「雲」上限(現在は111.36円)などを試す動きとなるかどうかを見定めたい。

 一方、仏大統領選・第1回投票の結果を受けて足下ではユーロ/ドルを買い戻す動きも見られており、本日のオセアニア時間には一時1.0900ドル近辺まで上値を伸ばし、3月27日高値=1.0906ドルに顔合わせする場面も見られた。
 つまりは、円の売り戻しとユーロの買い戻しが足下で見られているなか、ドルの行方は今週の米議会における予算の取り扱いや米朝間の緊張関係がどうなって行くかにかかっているわけで、なおも非常に不確実性が高い。この週明けはドル/円、クロス円、ユーロ/ドルともに大きく「窓」を空けての上昇スタートとなったが、それだけに改めて戻り売りに押される可能性もあり、依然、非常に慎重な取り組みが求められそうである。
(04/24 09:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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