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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第586回 今しばらくは手掛かり材料難の状態が続く…

2017年06月26日

 先週は、外国為替相場全体が方向感と動意に乏しい週となった。ことにドル/円は、週を通じた値幅が1円(100pips)あるかどうかといった程度の狭いレンジ内で推移し、基本的には111.20-30円処を中心軸とする値動きであった。先週20日には一時的に111.80円処まで上値を伸ばす場面もあったが、そこには一目均衡表の日足「雲」上限・下限が位置しており、そこで一旦は押し戻されるような格好となっている。
 また、前回の本欄でも述べたようにドル/円の111.40円処には月足「雲」上限が位置しており、同水準も何かと意識されやすくなっている模様。今週は週末(30日)金曜日が月末ということで、6月の月足・終値で月足「雲」上限よりも上方の位置に留まるかどうかという点にも大いに注目しておきたいところとなる。
 さらに、目下のドル/円が位置している水準は、日足「雲」や89日線、200日線、21日線などが複雑に絡み合っており、特段の材料が飛び出してこない限り、ここで暫しもみ合う展開になるのは当然とも言える状況にある。いずれにしても、しばし調整後に89日線や日足「雲」をクリアに上抜けるようなドル強気の展開になって行くのかどうか、当面はじっくり見定めることが重要となろう。

 6月のFOMCが「FRBは金融政策の正常化に向け、今後も敢然とタカ派的な姿勢を堅持して行く」とのイメージを市場に強く与えたことで、足下のドルの下値が堅いことは事実である。とはいえ、個々に発表される米経済指標には今一つパッとしないものも多く、結果的に多くの投資家は今、ドルに対して「買うに買えないものの、売るにも売れず」といった心境になっているのであろう。考えてみれば、比較的“平穏無事”な状況下で為替相場が安定的に推移しているということは、一般に言って本来好ましいことでもある。
 心配せずとも、今週は月末にかけて恒例の様々な米指標の発表が予定されており、その結果を受けてまた市場がバタバタする場面もあろう。とかくインフレ率の鈍化が懸念されているなかにあっては、なかでも30日に発表される5月のPCEコア・デフレーターの結果が特に注目されるところとなる。

 また一方では、原油(先物)価格の動向に対する市場の関心も依然強い。それはすなわち、このところ価格の下げが目立つ状況となっているためで、先週はNY原油先物価格(WTI/8月限)が一時42.05ドルまで下押す場面もあった。
 市場の反応はかなり敏感になっており、多少なり値を戻せば安心感からドルに一旦買いが入る。もちろん、一段安となる場面があればドルの警戒売りも嵩むと思われるため、今週も注意深く動向を見守りたい。また、27日にロンドンでイエレンFRB議長が講演することに注目する向きもある。米金融政策の方針に関する具体的な言及はなされにくいと思われる(あったとしても6月のFOMC後の会見の内容と変わりはないだろう)が、このところの市場は手掛かり材料に飢えているだけに、とかく何事にも敏感に反応しやすくなっているという点には留意しておきたい。

 今週のドル/円については、とりあえず111.25円を中心軸とする110.65-111.85円のレンジ内での値動きになると個人的には想定しておきたい。ちなみに想定レンジの下限は21日線が一つの目安であり、上限は日足「雲」が一つの目安である。
 一方ではユーロ/ドルも方向感に乏しい展開を続けており、上値は21日線と1.1200ドル処の節目に押さえられたような格好となっている。総じて、今週もドルは基本的に手掛けにくい状態が続くものと見ておく必要があるものと思われる。
(06/26 08:55)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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