今日18日は米FRB、そして明日19日は日銀とイングランド銀行と、今年最後の金融政策決定会合が開催される。残すは12/20の米国PCE(個人消費支出)価格指数(予想は年率でコアは2.9%と前月2.8%より上昇)。この発表が終われば、欧米はクリスマス休暇に入り、名実ともに2024年の幕締めとなる。予想通りとすれば、終わりよければすべてよし、となるが、蓋を開けてみなければ安心はできない。ただ個人的には、心は既に2025年に向かっている。来週は2024年の振り返りと2025年の展望としたい。
その前に、今年最後の中銀イベントと経緯を整理しておきたい。それぞれの現在の政策金利と市場予想(カッコ内)は、FRBが4.50-4.75% (0.25%の引き下げ)、日銀は0.25%(据え置き)、イングランド銀行は4.75%(据え置き)となっている。なお先週行われたECB(欧州中央銀行)は0.25%引き下げで、現在の政策金利は3.00%(預金ファシリティ)である。それぞれの今年の変動幅(FRB・日銀は前回まで)は、FRBが0.75%の引き下げ、日銀はマイナス金利から0.35%引き上げ、ECBは1%の引き下げとなっている。
ちなみにこの間の為替レートの変動(①昨年末と今日現在の比較、②2024の高値と安値の年間変動率・幅)は以下のとおりである。
ドル円: ①2.54%の円安(149.89→153.70)、②16.0%(161.95-139.58)
ユーロドル: ①4.83%のユーロ安(1.1026→1.0493)、②8.5%(1.1214-1.0332)
ユーロ円: ①3.77%の円安(155.46→161.32)、②13.6%(175.43-154.39)
ドルインデックス:①5.55%のドル高(101.379→107.010)、②7.9%(108.071-100.157)
この間(①)の金利差(10年国債利回り比較、ユーロは独国債)は、
ドル円 :(3.250%→3.315%)<金利差拡大>
ユーロドル:(1.838%→2.169%)<金利差拡大>
為替相場の変動要因として、金利差は相変わらず有効であることが分かる。今後の金利動向(重ねていえば、それぞれの中央銀行の判断基準、景気動向、物価動向)が今後の為替レート見通しに際して重要なキーであることを示していると、改めて認識した。
参考までに、欧米日のトップの任期は下記のとおりである
1. FRB・パウエル議長(71歳)弁護士、2018/2/5~2022/5/23~2026/5/15(現在2期目)
2. ECB・ラガルド総裁(68歳)弁護士、2019/11/1~2027/10 (任期8年)
3. BOJ・植田総裁 (73歳)学者。 2023/4/9 ~2028/5 (任期5年)
まだまだ任期終了まで時間があるので、それぞれのトップが任期中に行った政策への総括を考えているに違いない。特にパウエル議長は、新型コロナ禍でゼロ金利まで超緩和政策を実行し、その後急速に高まったインフレ物価高抑制のための大幅利上げという引き締め政策をどのように収束させるか、思案しているだろう。今回は2025年以降の経済見通し、金利見通し(いわゆるドットチャート)の発表があるが、日本では明朝午前4時に内容が明らかになる。(寝ずに市場を追いかけていくか、早起きをしようか、思案中)。
さて、今後1週間の相場見通しであるが、まず本日のFOMCの結果次第だが、市場予想は0.25%の利下げだ。シカゴ先物市場CMEのフェドウォッチでも、0.25%の利下げ確率は95%(NY時間12/18午前5:25現在)と市場に織り込まれている。一方日銀は据え置きと予想。これまでの経験から、海外筋の失望円売りが出ると予想してドル堅調維持を想定し、151.80-154.80円と予想する。一方欧州通貨は、今後の利下げが続くとの見方から、今週も対ドルで1.0350-1.0600とユーロ軟調を予想、また対円では160-163円とユーロ高円安と予想する。英ポンドドルは、先週は1.2605-1.2788とほぼ予想通りであったが、今週は政策金利現状維持と予想し1,2650-1.2850と底堅い展開を予想する。
(2024/12/18、 小池正一郎)
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