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為替大観

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第441回 ~ベアトラップに注意~

2021年07月21日

今週月曜日19日に、米国市場で思いがけないセルオフが起こった。ドル円に関していえば筆者の予想を超えてドル円は急激に値を下げ、約2か月ぶりの109円割れ寸前まで下落した。一瞬「何事が起った?」と身構えた。米10年債利回りが急低下、一時、今年2月以来の1.174%まで下落したことがその背景であった。この段階ではドル安円高と見えた。

しかし、通貨別の動きを見ると様相は全く異なる。米ドルの強さが際立っており、筆者の先週の予想に沿った動きになったと言ってよい。ここで、米ドルの強さ確認しておきたい。今日まで米ドルインデックス(DX)は5連騰、今年4月2日以来、約3か月半ぶりの93.175迄上昇(以下執筆時)、対ユーロでは、1.1754と3ヶ月半ぶり、対英ポンドは1.3572、対カナダドルは1.2807とそれぞれ約5か月半ぶりの米ドル高になっている。また対豪ドルは0.7289と約8か月ぶりの米ドル高だ。ちなみに豪ドルは対円でも弱くなっており、5か月半ぶりに1豪ドル80円割れまで売られている。

ここまでくると、米ドルの強さを認識せざるを得ない。今回の相場波乱は米株の下落もきっかけになり、かって一世を風靡した「リスクオフのドル買い・円買い」が急浮上した。そこで、市場の思惑を読むと、次のような市場心理が浮かび上がってくる。

イ)米経済がピークを付けた。理由は、①パンデミックが治まらず、変異株を中心に感染拡大が起きている。②遅かれ早かれテーパリングが始まれば株価は下落する(株式市場は相場の先読みが身上)。③これまで消費や住宅を中心に、景気はパンデミック宣言時以前より拡大してきたので、これからの拡大のペースは低下する。④生活・労働の日常パターンが大きく変化して、生産性の低下が懸念される。

ロ)これらの環境変化を受けて、①企業収益は今後悪化する→株売り。②FRBはインフレは一時的、と固執(?)していることもあり、テーパリング(金利引き上げ)も急がないだろう。③そして長期金利もさらに上昇することもないと予想できる。

そして起こったのが、いわゆる「ベア・トラップ」であり、市場の動揺を大きくした。ベアトラップとは、相場が下落した時に、「この下落は、次の、より大きな下落を引き起こすと判断(これが売りを売りを呼ぶ)、すぐ売ったが、そうならずに相場が戻ったので、損切りしても買い戻し。いわゆるだましにあった、という状況」と説明できる。

現在は、米国経済は、また「ゴルディロック(適温)相場」(長期金利の低位安定と株高が併存する状態)になったとして、ベア(下落)相場に入ったとの見方はほとんど消滅した。
昨日発表になった、米国6月住宅着工の好調な数字(前月比+6.3%、前年同月比+29.1%、2カ月連続して増加)も裏付けとなる。一方、日本では新型コロナの感染が拡大しており、日本の安全通貨の地位も揺らいできた。ドル円こそベアトラップに気を付けたい。

さて、今後1週間の相場見通しは、ドル円は、110円台が中心の109.80~110.80円と予想。またユーロは、ECB理事会での緩和維持を予想して、対ドルで先週よりユーロ安の1.1600~1.1800、対円では129.00~131.00円と予想。英ポンドも先週よりポンド安の1.3700~1.3900と予想する。

(2021/7/21, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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