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第341回 ~トランプ再選危うし~

2019年06月20日

 トランプ大統領が、2020年の大統領選挙での再選をめざして、選挙運動を始めることを正式に発表した。場所は、フロリダ州で開催された支持者集会。これからは現職の強さをいかんなき発揮してくるだろう。一方、対抗馬となる民主党候補は乱立気味、このままではトランプ大統領(以下トランプ氏)再選の確率はかなり高いと言わざるを得ない。

 では、なぜ今この時期に発表したか。発表の場所がそのカギだ。フロリダ州は、来週6月25~26日に民主党が、大統領候補の公開討論会を開催する場所。フロリダ州は、毎回接戦州であり、機先を制しておく必要がある。このまま何もしなかったら再選の可能性がだんだん低くなっていくとトランプ氏は危機感を持ったからではないだろうか。

 その伏線となっているのが、米・クイニピアック大学(Quinnipiac University、コネチカット州)の世論調査の結果である。6月11日に、トランプ氏は民主党の主な候補に負けていると発表された。同大学の世論調査は定評があり、多くのメディアで取り上げられているので、トランプ氏も無視できなかったのではなかろうか。18日のプレスリリースでもバイデン氏(50対41)、サンダース氏(48対42)、ウォーレン氏(47対43)に加え、他の主要な候補に対しても、トランプは負けていると発表された。

 アメリカの大統領選挙は、まだ1年4か月も先の話、しかしこれで役者はそろった。名実ともに選挙戦が始まったといえる。一般的には、国民の人気取りができる政策を打てる現職が有利と言われるが、トランプ大統領の場合は、何かと物議をかもしている。それも国際政治中心に多くの難問を抱えているので、必ずしも現職有利とはならないと言える。

 個人的にはトランプ氏は再選できないと予想しているが、今から来年の話をすると鬼が笑うので、今はすぐに起こることについて考えたい。まず、今日のFOMCである。「パウエル議長の解任を画策している」との話が出るほど、トランプ氏は金利の引き下げを声高に要求している。

 この圧力に対し、どのような回答をするか、大いに注目される。筆者は、パウエル氏は毅然としたトーンで、今回は利下げはせず、これまでの非伝統的と言っていた量的金融緩和を正当化する方向を打ち出すと考えている。ただ、今回発表になるドットチャートでは、今年2回の利下げの可能性が読み取れると予想している。

 次が、来週大阪のG20サミットでの米中首脳会談である。正式に開催がアナウンスされたが、この読み方については先週のコラムの通りである。外から見えるのは米中が机上では議論を戦わせる図だが、机の下では手を握っている(ただしその場面は見えない)としたら、ドル円が108円を割らないことも納得がいく。

 そこで、今後1週間の予想レンジは、ドル円は少しドル高を予想し108.00~110.00円。またユーロは対ドルでは1.1050~1.1250、対円では120.50~122.50円、そして英ポンド/ドルは1.2450-1.2650とポンド軟調と予想している。
(2019/6/20, 小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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