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第364回 ~トランプ再選戦略はドル高~

2019年12月11日

今日から週末まで、今年最後の重要イベントが連日発表になる。総合的に言えば、ドル高が進行し、年末にかけて110円を超えていくと予想する。

まず、今日はFOMC。声明とともにドットチャートが発表になり、パウエル議長の記者会見もある。筆者の予想は現状維持、金利変更なしである。声明文と議長の記者会見でも、利下げ利上げのどちらにも受け取られないような言葉遣いや発言となるだろう。前月10/30の声明では、それまでの「適切に行動する(act as appropriate)」を削除し、「状況を注視する(assess the appropriate path of the target)」に変更している。この文章で、利下げステージはそれまでの3回で一旦停止し、しばらくは動かないとのメッセージを発したとみなされた。それを、声明では今回も踏襲する可能性が高いとみている。

一方、先日トランプ大統領との面談で、利下げへの圧力があったと言われている。しかし市場は、これまでのトランプ大統領の発言や行動を見れば、この圧力があって当たり前であり、別に驚いていない。むしろ市場のパウエル議長に対する信認が勝っていると感じる。中央銀行の独立性維持については命綱としているはずである。米経済の失速がない限り、大統領が何を言おうと中立を保つであろう。

そこで、注目されるのは、FOMCメンバーによる米国景気の見方、評価である。特に雇用統計が多くの予想を超える大幅な増加で、米景気の底固さが示された後であり、場合によっては、むしろ利上げに向かってのバイアスが出てくる可能性がある。非農業部門雇用者数は、予想(18.8万人)を超える26.6万人となり、1月以来今年2番目の大きさとなった。

さらに直前2か月の上方改訂を含めると30.7万人の増加となり、週間平均賃金も継続して年率3%超えが続いている。また失業率も3.5%と前月の3.6%より低下、3か月連続して、3.52%~3.56%の低水準を維持していることも、利上げ派を強気にさせている。利下げは当面なし、だが、むしろ、利上げの可能性に触れてくるフォワードガイダンスに似た、言い回しになる可能性もある。これはドル高要因だ。

そして明日はまずラガルド新総裁の初登場となる欧州中央銀行(ECB)の理事会がある。金融政策自体の変更はないだろうが、記者会見は、市場に対する施政方針演説となる。何を言うか、大いに注目されるところだ。特に、何に一番をリスクを感じているか、欧州景気の後退についてどう評価しているか、ECBの運営で、一番力を入れるのは何か、また金融と財政が分離されている現状についてどのような見解を持っているか、など多くの注目点がある。ユーロ相場については今回はよほどの方向性を示唆する発言がなければ、中立であろう。

そして、英国の総選挙がある。保守党勝利は確実との世論調査が出ているが、3年前の国民投票の例もあり、選挙は水物と言われる通り、一部には結果を楽観していない。ただポンド相場は、保守党勝利、秩序あるEU離脱の実現を想定して、大きく買われているので、結果が出たところでは、材料出尽くしで一回反落する可能性もある。保守党が勝ったとしても、離脱方法についてのEUはじめ諸外国との厳しい交渉が待っていることを考えれば、ポンドがどんどん買われるとは想定しにくい。買われたら売り、と予想したい。

13日には、日銀短観(概要)が発表になるが、こちらはよほど大きなブレがない限り、ドル円相場を動かすことにはならないと考えている。それより大きく注目されるのは、12月15日に迫った、米国の対中関税第4弾の発動の有無である。同日に中国の対米報復関税も発動予定日となっている。週末にかけて、このニュースが市場を支配することになるだろう。米国からは、発動はなしとの見方が伝わっているので、その通りになれば、ドルは大きく値をあげると思われる。背景には、やはりトランプ大統領の再選戦略がある。これからはこの戦略中心に、市場は反応していくと考えていきたい。

今後1週間は、ドル堅調を予想。ドル円は、108.20~109.50円と予想。またユーロは、対ドルで1.1020~1.1170、対円では120.00~121.50円と考えている。また英ポンド/ドルは、総選挙での保守党勝利が確実になり、1.3000-1.3300と堅調推移を予想している。
(2019/12/11, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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