FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

為替大観

最新の記事

第467回 ~愚挙を避けるパウエル議長~

2022年01月26日

世界的に拡大しているオミクロン感染の猛威、日常生活に影響が広がってきた物価上昇、そして国際的に緊張が高まるウクライナ情勢、このさなかに、今日は米国のFOMC(連邦公開市場委員会)の二日目、新たな金融政策が決定され、パウエルFRB議長の記者会見がある(日本時間では明日朝未明)。

市場は嵐を前にして、漕ぎだした船がゆらゆら揺れているような状況だ。恐慌指数(VIX)は1月12日(17.60)より上昇を続けている。VIXとは、シカゴオプション取引所(CBOE)で取引されるボラティリティ・インデックスのことで、先行き不安が高まると数字が大きくなる。株式市場の続落を反映して、今週月曜日(1/24)には38.94を付けた。警戒水準と考えられる40直前まで上昇するほど、市場には不安感、警戒感が高まっている。現在は30割れ迄下落しているが、現下の世界情勢で、高値を付け終わったとは思えない。

このような環境を市場は「有事」と呼び、為替市場では「有事のドル買い」「リスクオフの円買い」というような言葉で、安全な通貨の買いが膨らむ。しかし、現在そのことが当てはまるかどうかを考えると、素直に従うことはできない。そのようなときに筆者が用いるのは「お金が流れる高い所は何処か?、何か?」という探索である。

比較的に安全で、成長が期待される国は米国であり、米ドルが高いことに異論は挟まない。また、米国の表面金利は確かに高い。しかし、インフレが進んでいることにより、実質金利はマイナスである。しかもウクライナ情勢を巡っては、米国はもはや実質当事者。地理的に離れているとはいえ、対岸の火事では済まされないだろう。ただ、地理的な点でいえば、ユーロが一番危険にさらされており、下落基調であることは至極当然といえる。

では日本はどうか。安全面ではウクライナに関しては米国より勝っているかもしれないが、朝鮮半島問題が重くのしかかっており、しかも世界では米国と一心同体と見られていることを忘れてはならない。長期間成長が見られず、低金利はそのまま、しかも貿易赤字は増加傾向、将来を考えれば、円への魅力も乏しい。唯一といってもいいのが、流動性が高いことである。結果、短期的な危機回避先にはうってつけ、投資資金としての一時しのぎの立場で存在している。この不透明な方向性に指針を与えるのがFOMCである。

そこで、筆者はパウエル議長になったつもりで、今日のFOMCでの決定を考えてみた。基本は金融マーケットを壊さないことを最低限維持すること、そのためにハト派に徹することである。市場のコンセンサスは、3月に利上げ、それも場合によっては0.50%幅の利上げも予想されている。もしその通りとなるような声明や会見での示唆や発言があれば、株は急落、金利上昇、ドル下落など市場の混乱は避けられない。パウエル議長はこのような愚挙に出ることはない、と予想している。

落ち着きどころは、「まだ何も決定していない。次回のFOMCまで、雇用統計もCPIも2回発表がある。その動向を見て決める」ということではなかろうか。たとえ、利上げに言及していたとしても、「3月または5月に1回、その後は経済状況を見て判断」になると予想する。前回(2015年末)の利上げ後、1年近く変更なしを維持していた例もある。「逆テーパー・タントラム(びっくりして金利が低下)」となることもあり得る。それだけ、株価下落の影響は大きいと判断せざるを得ない、ということである。

危ないと思えば港に変えることが大事との考えもあり、このような状況でいつも頭によぎるのは、かの世界的な投資家(投機家ともいえる)のジョージ・ソロス氏の言葉である。「まず生き延びることが大切」である。

今後1週間の相場レンジ予想は、ドル円は、113.25~115.25円、一方ユーロは、対ドルは1.1100~1.1350、対円では127.50~129.50円のユーロ安、英ポンドは1.3350~1.3550とポンド安を予想する。

(2022/1/26, 小池正一郎)

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引、証券取引、および暗号資産CFD取引(暗号資産関連店頭デリバティブ取引)に関するご注意


【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。
取引手数料は無料です。なお、外貨両替については1通貨あたり0.20円、受渡取引については1通貨あたり0.10円の手数料をいただきます。

【CFD-Metals】
CFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。
CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。

【証券】
国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

【暗号資産CFD】
暗号資産は法定通貨(本邦通貨又は外国通貨)ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。
暗号資産CFDは、取引時の価格の変動により、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。
暗号資産CFDの取引に必要な証拠金は、取引の額の50%以上の額で、証拠金の約2倍までの取引が可能です。
取引にあたり、営業日をまたいで建玉を保有した場合にはレバレッジ手数料が発生します。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人日本暗号資産取引業協会