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第318回 ~中央銀行ウィーク~

2018年12月13日

 いよいよ13日から今年最後の主要中央銀行の金融政策決定会合が始まる。まずECB(欧州中央銀行)で幕を開け、次いでFRB(米国連邦準備制度理事会)が来週18-19日に、そしてしんがりとして19-20日のBOJ(日本銀行)と続く。ECBとBOJは基本無風と予想されるが、利上げの可能性があるFRBについては、為替相場に影響があり、大きな注目が集まっている。個別にみていきたい。

 最初は13日のECBである。大きな流れでは緩和政策の最終局面にある。来年以降の方針についてはすでに発表済みであり、今回は、その確認を行うだけであろう。量的な面では、最高で800億ユーロ(ひと月)行っていた債券購入について、昨年から徐々に減額し、現在は150億/月となっており、来年1月からはゼロ(購入はしない)とする、と発表している。

 一方金利面では、今年6月の会合で、少なくとも2019年夏までは現水準を維持することを明言しており、この点ではまだ緩和政策は終わっていない。現行は政策金利が0%、貸出/預金金利は、上限+0.25%/下限-0.4%と、マイナス金利のままだ。今回は、この水準は維持されようが、もし、変化が出るとすれば景気認識であろう。月初に発表になった製造業景況感(Markit社)は低下が続いているからだ。

 ユーロ圏は51.8と2016年8月以来の低水準で、イタリーは47か月ぶり、ドイツ31か月ぶり、フランスも26か月ぶりと軒並み悪化している。英国のEU離脱問題の混迷も重くのしかかっている。欧州では、3Mが元凶、とも揶揄されており、むしろ再緩和が必要では! との声も出ているほどだ(Mとは、問題を起こしている3か国の元首、マクロン、メイ、メルケルの頭文字)。ユーロの下落が止まらないのもうなずける。

 そして来週水曜日は、ある意味運命の日ともいえる。FRBがFOMC(連邦公開市場委員会)で利上げの有無と、2019年度以降の金利見通しを発表する。先月末のパウエル議長の発言(現行金利は中立金利をわずかに下回っている)もあり、予断が許さない状態だからだ。ただ、市場の見方(シカゴCME)は、利上げ確率は78.4%(12/12現在)で、1週間前(79.2%)に比べれば低下しているが、前日(75.8%)との比較では上昇している。

 筆者の見方は、既定路線通り9回目の利上げが決定されるとの側だ。その背景は、「わずか」といっても、中立金利が2.9~3%とすれば、現行FF金利水準(2.00~2.25%)からはまだ幅があることや、また、賃金(雇用統計では時間当り賃金の年率伸び率が3.0%)と、インフレ抑制の観点から、利上げは必要との考え方がFRB内部からの発言があることだ。

 これに加え注目しなければならないのは、2019年以降の金利見通しを示すドットチャートである。前回9月の発表では、2019年には、あと2~3回、2020年にも1回と、最高金利(投票者平均)は3.28%との見通しが出ている。これら水準がどのように変わるか、極めて高い注目度がある。個人的には、先のパウエル発言に、市場は「もう利上げはないのではないか」とかなり過剰反応があったとの見方で、少しでも利上げ継続の見通しが出れば、ドル相場上昇に弾みがつくと考えている。

 最後の日銀については、物価上昇が1%前後と、前2行に比較して大きく差をつけられており、緩和政策の継続実行以外に道はないと判断され、こちらは正真正銘無風と予想している。

 さて、今後1週間のドル円は、強含み推移の112.80円~114.30円と予想。一方、ユーロは、3M問題が長引くとの見方で、対ドルでは1.1250~1.1450、対円では127.50~129.00円と予想している。
(2018/12/12,小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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