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第673回 米利下げ観測とドル安は少々行き過ぎ?

2019年06月24日

 先週は、週末にかけてNY金先物価格が急騰した。21日には1トロイオンス=1415.40ドルまで一時的にも上昇する場面があり、終値でも1400ドル台を維持した。それだけ足下ではドルの先安感が強いということになるのだろう。
 実際、先週21日のドル/円は一時107.05円あたりまで下値を探る場面があり、結果的に今月のドル/円の月足ロウソクは、現状で一目均衡表の月足「雲」下限(現在は108.34円)を下抜ける格好となっている。おかげで、少なくともチャート・フェイスから受ける印象はかなり弱気ということになる。いまだ、2016年6月安値と今年1月安値を結ぶライン(三角保ち合いの下辺と見られる)を下抜けるところまではいっていないが、市場の一部では「一旦、105円台を覗く」との声も聞かれないではない。
 目下のところ、ドルに強い下押し圧力がかかっていることから、NY金先物価格と同様にユーロ/ドルが先週末にかけて強含みとなった点も見逃せない。ユーロ自体を積極的に買い上がる材料は乏しいという状況にあって、ユーロ/ドルが年初から形成していた下降チャネルを上放れる展開となってきていることは少々重く受け止めねばなるまい。
 もちろん、先週末の1日だけの値動きでは何とも言えない。また、目下の市場の米利下げ期待は少々行き過ぎではないかと思われ、その意味では、今週発表される5月の米耐久財受注やPCEコアデフレータなどの結果も大いに気になるところである。

 足下で進むドル安の最大の動機づけとなったのは、やはり先週行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)であった。事前に市場が予想していたとおり、声明文からは「忍耐強くなれる」の文言が削られ、近い将来において米連邦準備理事会(FRB)が利下げに踏み切る可能性があることを示唆した。
 ただ、正味のところ全体感としては事前が期待していたほどハト派ではなかったという印象でもある点には要注意と言えるのではないか。パウエルFRB議長は、会見で「必要であれば手段を使う用意がある」と言いながらも、同時に「利下げは指標次第」、「FOMCは様子を見たがっている」などとも述べていた。
 また、最も注目された参加メンバーらの金利見通し(ドットプロット)においては、年内の政策金利は「据え置き」と見る向きが8名もいて、必ずしも全体が利下げに前のめりになっているといった感じではない。そもそも、市場の利下げ観測が少々行き過ぎと思えるほど強まっていることによって、足下の米株価は史上最高値水準まで上り詰めているのである。S&P500種に至っては、20日、21日に終値あるいは取引時間中の最高値を更新する場面もあり、これほど株価が好調に推移しているなかで「7月米利下げ」を想像するのは、そう容易いことではないように思われる。
 もちろん、いわゆる「予防的利下げ」が断行される可能性はあるのだろうが、株高の資産効果が消費を刺激する可能性が高まっているなかで、さらに金融緩和のアクセルを踏むとなれば、それは米経済がバブル化する可能性を高める。もっとも、そうなれば米大統領にとっては願ったりかなったりであるのかもしれない。

 とまれ、何より今週は大阪G20サミットである。言わずもがな、最大の焦点は米中首脳会談が本当に実現するかどうかであり、仮に実現した場合には、双方がどの程度まで歩み寄れるかがポイントになる。先週末にかけても、なお瀬戸際の駆け引きが戦わされていた模様であり、双方の“覇権争い”がそう簡単に解決に向かうとも思えない。
 おそらく「協議継続」の方針が示されるのが関の山ではないかと思われるのだが、それを市場がどう受け止めるかは未知数としか言いようがない。投資家の立場からすれば、その出方をとりあえず見定めるしかないということになってしまうだろう。
(06月24日 08:55)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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