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第705回 政策期待がドルの下値を支える展開

2020年04月06日

 連日、気が滅入るようなニュースばかりが耳に飛び込んでくるなか「ついに、トランプ米大統領がサウジアラビアとロシアに減産を強く働きかけ始めた」との一報は市場にとって一筋の光となった。トランプ氏は、先週2日の米メディアのインタビューで「日量約1000万バレルの減産に近く合意する」と応え、さらに追加のツイートでは「1500万バレル程度にもなり得る。皆にとってグレートなニュースだ」などと踏み込んでみせた。
 結果、先週2日と3日の2日間でNY原油先物価格は大幅に反発、続伸し、市場の期待は大きく膨らんでいる模様。むろん、またしても合意に至らなかった場合の失望も大きいということは一応心得ておかねばなるまいが、今のところロシアのプーチン大統領は「日量1000万バレル前後の減産は可能だ」と言明しているという。
 振り返れれば、3月5日にサウジアラビアの主導で石油輸出国機構(OPEC)が打ち出した減産強化の計画に非OPECのロシアが同意せず、OPECプラスの協議が決裂したことが世界的な株価急落の大きなきっかけの一つであった。
 もちろん、いまだ新型コロナウイルス感染拡大の猛威は衰える気配を見せていない。だからこそ、せめて今は原油生産量を巡る産油国同士の争いを「一時休戦」とすべきであろうし、それは米大統領選を控えるトランプ氏にとっても極めて重要な再選戦略ということになる。さしあたっては、米国のシェール企業にも一定量の減産提案を受け入れさせることができるかどうかが重要であり、まずはその行方を見定めたい。

 それにしても、足下では依然としてドルの強さが目立っている。もはや、一頃のような市場のドル枯渇懸念は後退しているものの、市場参加者のドル買い意欲は根強い。前回更新分の本欄で「当然、米政府や米連邦準備理事会(FRB)が次々に繰り出す策は其々に有効であると思われ、それらは最終的にドルの信認につながっていく可能性が高い」などと述べたが、実際、先に米政府が打ち出した2兆ドル規模の大型経済対策に寄せられる期待は小さくないだろう。まして先週、トランプ大統領は議会に対し、景気刺激対策の第4弾として2兆ドルの大型インフラ投資を盛り込むよう求めている。
 いずれにせよ、目下の米政権が膨大な財源を用意する必要に迫られていることだけは確かである。そのせいもあってか、ここにきてトランプ氏が『強いドル政策』を容認するような姿勢を見せ始めていることも事実。実際、必要な財源を無理なく十分に手当てし、なおかつ将来的な財政不安に伴うドル急落の芽をできる限り摘み取っておくためには、ある程度のドル高が好ましいはずである。

 先週末3日に発表された3月の米雇用統計の結果を見るまでもなく、これから暫くは米国経済の「実態悪」を裏付ける酷い景気データ、経済指標が次々と明らかにされる。とはいえ、そのかなりの部分は既に織り込んでいるものと考えられ、むしろ諸対策の効果に対する大いなる期待が基本的にはドルを下支えするものと見ておきたい。
 前回更新分で、ドル/円の下値については「概ね3月9日安値から24日高値までの上昇に対する38.2~50%押し(=107.67円~106.43円)あたりまでに限られてくる」と述べたが、実際に先週は一時的にも106.91円まで下押した後、反発して108円台半ばあたりまで値を戻したところで週を終えた。結果的に200日移動平均線(108.35円)を上抜ける格好となり、目先は同線を挟んで上下に其々1.5円程度の値幅(106.85―109.85円あたり)のなかでの推移ということになるものと個人的には見る。
 一方のユーロ/ドルに関しては先週30日に一時1.1145ドルの高値をつけて反落し、その後は週を通じて下げ一辺倒の値動きとなった。さすがに、一つの節目である1.0800ドル割れの水準では下げ渋りやすく、目先は多少のリバウンドもあり得るが、その上値余地はせいぜい1.0900ドル台前半あたりまでに限られると見られ、基本的には戻り売り姿勢で臨みたい。 

(04月06日 08:40)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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