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為替イブニング海外市場2024年5月1日

2024年05月01日
(コラム執筆時間:19時29分)

鈴木予想レンジ

※コラム執筆時点における、筆者の予想レンジです。

通貨ペア予想レンジ
ドル円156.30~158.50
ユーロ円167.30~169.30
ユーロドル1.0600~1.0750
豪ドル円101.30~103.00
相場状況の振り返りと今後の展開予想

相対的に売買材料が多岐に亘っており、市場は焦点が定まらない状況が続いている。先の政府日銀による介入操作にもかかわらず、米債券利回りの高止まりを踏まえてやや円売り志向が強まっているが、日銀の介入レベルであるドル円160円前後が防衛ラインとなっており、安易な上値トライは慎重にならざるを得ないだろう。それ故にドルの上昇局面では、戻り売りに圧される可能性が高いと判断するのが順当であろう。とは言え、今晩のFOMCにおいて、FRBが再度利下げ志向を強めるかは未だに懐疑的であるが、米企業の好決算や第1四半期の米労働コスト指数が予想を上回る伸びを示しており、また週末の米雇用統計も改善が見込まれているだけに、市場では年内利下げ開始観測が一段と遠のいているなど、拙速的な下値トライも慎重にならざるを得ない。いずれにしても安易にどちらにも仕掛けづらい相場環境にあるが、34年ぶりの円安の副作用が急激な物価上昇や実質賃金の低迷にも繋がっており、FRBの政策方針に依存することなく、独自の政策方針を打ち出す必要がある。利上げの経験値がない政府日銀としては難しい選択肢に迫られているが、日本経済の活性化のためにも早期のデフレ脱却宣言、そして利上げ志向を表面化することも必要であろう。

一方、ドル円は介入後も160円前後での上値の重さが意識されているが、基本的には円キャリートレード志向は根強く、拙速的な下値トライは一巡している。ただ円売りが投機対象になっていることは明白だが、日銀の緩和的な発想がある限り、投機筋としても見切り売りは一過性に終わるとの見方も少なくない。引き続きレンジ幅ドル円156.00~158.50円まで拡大し、同レベル前後から少なめのナンピン売買で対応することが賢明であろう。

他方、ユーロドルは米ドル主導の展開に変わりはないが、ドル円と同様に、米金利の優位性を背景に戻り売りが優先されている。引き続きレンジ幅1.0600~1.0750を重視し、同レベル前後からナンピン売買で対応することが賢明であろう。

●戦略的には、ドル円は前述したレンジ幅を重視し、156円台半ば割れから押し目買いと共に、158円台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、ユーロドルは1.06前後から押し目買いと共に、1.07台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。

●邦銀勢によれば、様子見スタンスを強める中、輸出企業は今朝と同様に、ドル円158円台半ば前後に売りが集約されている模様。一方、輸入企業も同様に、買い急ぐことなく156円前後を視野に、156円台半ば割れから少なめの押し目買いで対応している模様。

●海外勢によれば、方向感に乏しい中、微調整に終始しているが、現状では今朝と同様に、ユーロドル1.06前後では割安感の買い戻しも散見されており、拙速的な下値トライには慎重になっている。引き続き1.06前後から押し目買いと共に、1.07台半ば前後からナンピン売りで待機姿勢を強めている模様。

●クロス円は、ドル円156円前後ではロング、158円半ば前後ではショートをイメージし、ユーロ円は167円台半ば前後から押し目買いと共に、169円前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、豪ドル円は101円台半ば前後から押し目買いと共に、103円前後からナンピン売りで待機することを勧める。

市場ストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円155.70158.80
ユーロ円165.80169.30
ユーロドル1.05501.0830
豪ドル円100.80103.50

※筆者の独自取材による、国内機関投資家などからのストップロス・オーダーが多く出ているラインです。
新規注文の際や、保有ポジションの見直しを計るうえでの参考のひとつにしてください。

トレード実績

筆者の個人的なトレードによる収支実績及び売買予定を公開しています。
※文中の記号・略語については巻末の解説をご参照ください。

市場のストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円155.70158.80
ユーロ円165.80169.30
ユーロドル1.05501.0830
豪ドル円100.80103.50
現在のポジション
ドル円ショート50,000☆157.50(SL158.20買い)
ユーロ円ショート50,000☆168.00(SP168.80買い)
豪ドル円ショート50,000☆103.00(SL103.30買い)
前日のSP実行ポジション
ユーロ円ショート50,000★△169.00(SP168.00買い)+¥50,000
2024年5月収支経過(01~   日)
通貨プラスマイナス前日比
ドル円
ユーロ円
ユーロドル
豪ドル円
前日の売買 東京市場
ユーロ円売り50,000☆168.00(SL168.70買い)
前日の売買 海外市場
ドル円売り50,000☆157.50(SL158.20買い)
本日の売買&予定 東京市場
出来ず Nothing done
ドル円売り50,000158.30(SL158.80買い)
ドル円買い50,000156.50
ユーロ円売り50,000168.80(SL169.30買い)
ユーロ円買い50,000167.50
ユーロドル売り50,0001.0780(SL1.0830買い)
ユーロドル買い50,0001.0610(SL1.0560売り)
豪ドル円売り50,000103.00(SL103.50買い)
豪ドル円買い50,000101.50
本日の売買予定 海外市場
ドル円売り50,000158.50(SL159.00買い)
ドル円買い50,000156.50
ユーロ円売り50,000169.30(SL169.80買い)
ユーロ円買い50,000167.50
ユーロドル売り50,0001.0750(SL1.0800買い)
ユーロドル買い50,0001.0600(SL1.0550売り)
豪ドル円売り50,000103.00(SL103.50買い)
豪ドル円買い50,000101.50
記号・略称解説

ロング=買い、ショート=売り
△=プラス、▼=マイナス
☆新規、★実行済み
SL=損失確定(Stop Loss)
TP=利益確定(Take Profit)

本レポートは朝夕2回配信。土日及び祝祭日は無配信のためSLのみ提示。
指値注文タイムリミット:東京市場 17:00、海外市場 5:00(日本時間)
SL/TPは最大100pips前後を目処に実施。最終のご判断は自己責任にてお願いいたします。

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プロフィール

  • 著者近影 鈴木郁雄(すずきいくお)
    フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネラル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず、デリバティブなどマネー部門を統括。 2001年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーと 親密に情報交換し、投資家心理を交えて独自の分析に定評がある。

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