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為替モーニング東京市場2024年5月10日

2024年05月10日
(コラム執筆時間:09時40分)

鈴木予想レンジ

※コラム執筆時点における、筆者の予想レンジです。

通貨ペア予想レンジ
ドル円154.00~156.00
ユーロ円166.50~168.30
ユーロドル1.0680~1.0830
豪ドル円101.50~103.30
相場状況の振り返りと今後の展開予想

ドル円相場は弱い米雇用統計や米10年債利回りの上下動に振り回された感が強いが、政府日銀の介入操作連発にもかかわらず、円安基調を強めている。基本的には日米の金利差拡大長期化による円キャリートレードの結果とも解釈できるが、日本経済がデフレからインフレに向かっていることは違いない。政府日銀としても先のマイナス金利解除やYCC修正案では円安に歯止めが掛からないとの認識を強めており、それ故に日々、鈴木財務相や神田財務官から行き過ぎた円安への警鐘を鳴らしているものの、介入操作による限界も踏まえつつ、最早、早期の利上げに舵を切らざるを得ない外部環境にある。当然、金融引き締め策は株価暴落、市場心理の冷え込みなど、日本経済の活性化を押し下げ材料になるであろう。反面、円安のダメージを排除するためにも、金利正常化や円高に配慮した方が、結果的には日本経済活性化に繋がるとの見解も少なくない。政府日銀としても正念場を迎えているが、岸田政権の推進力低下や政権交代などの不安要素が回遊しているだけに、加速的な円高局面も描きづらい。引き続き波乱含みの展開が予想されるだけに、レンジ幅を通常よりも拡大し、少なめのナンピン売買で対応することが賢明であろう。

一方、ドル円は156円台を回復しておらず、流石に介入警戒感が強まっている。ただし物足りなさもあり、もう一段の実弾投入を迫られている。それでいてタイミングが図り切れないだけに、戻り売りに比重を置いた戦略性が求められている。引き続きレンジ幅ドル円154.00~156.00円を重視し、同レベル前後からナンピン売買が得策であろう。

他方、ユーロドルは1.07台を維持してはいるが、依然としてECBの利下げ観測を踏まえた戻り売りが優先されている。引き続きレンジ幅1.0650~1.0800を重視し、同レベル前後からナンピン売買で対応することが賢明であろう。

●戦略的には、ドル円は前述したレンジ幅を重視し、154円前後から押し目買いと共に、156円前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、ユーロドルは1.06台半ば前後から押し目買いと共に、1.08前後からナンピン売りで待機することを勧める。

●邦銀勢によれば、様子見スタンスを強める中、輸出企業は昨日と同様に、ドル円156円前後を視野に、同レベル前後からナンピン売りで待機姿勢を強めている模様。一方、輸入企業も買い急ぐことなく、154円前後を視野に、154円台半ば割れから押し目買いで対応している模様。

●海外勢によれば、方向感に乏しい中、調整色を強めている。現状では直近のレンジ幅を重視し、ユーロドル1.06台半ば前後から押し目買いと共に、1.08前後からナンピン売りで待機姿勢を強めている模様。

●クロス円は、ドル円154円前後ではロング、156円前後ではショートをイメージし、ユーロ円は166円台半ば前後から押し目買いと共に、168円前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、豪ドル円は102円割れから押し目買いと共に、103円台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。

市場ストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円153.80156.50
ユーロ円166.00168.80
ユーロドル1.06301.0880
豪ドル円100.90103.80

※筆者の独自取材による、国内機関投資家などからのストップロス・オーダーが多く出ているラインです。
新規注文の際や、保有ポジションの見直しを計るうえでの参考のひとつにしてください。

トレード実績

筆者の個人的なトレードによる収支実績及び売買予定を公開しています。
※文中の記号・略語については巻末の解説をご参照ください。

市場のストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円153.80156.50
ユーロ円166.00168.80
ユーロドル1.06301.0880
豪ドル円100.90103.80
現在のポジション
ドル円ショート50,000☆155.80(SL156.50買い)
ユーロ円ショート50,000☆167.00(SL168.30買い)
豪ドル円ショート50,000☆102.50(SL103.30買い)
前日のSL実行ポジション
ドル円ショート50,000★▼155.30(SL155.80買い)-¥25,000
2024年5月収支経過 (01~10日)
通貨プラスマイナス前日比
ドル円+¥85,000-¥25,000
ユーロ円+¥100,000
ユーロドル
豪ドル円+¥155,000
前日の売買 東京市場
ドル円売り50,000☆155.80(SL156.30買い)
豪ドル円売り50,000☆102.50(SL103.00買い)
前日の売買&予定 海外市場
出来ず Nothing done
ドル円売り50,000156.50(SL157.00買い)
ドル円買い50,000154.50
ユーロ円売り50,000168.00(SL168.50買い)
ユーロ円買い50,000166.50
ユーロドル売り50,0001.0800(SL1.0850買い)
ユーロドル買い50,0001.0650(SL1.0600売り)
豪ドル円売り50,000103.00(SL103.50買い)
豪ドル円買い50,000101.50
本日の売買予定 東京市場
ドル円売り50,000156.00(SL156.50買い)
ドル円買い50,000154.50
ユーロ円売り50,000168.30(SL168.80買い)
ユーロ円買い50,000166.50
ユーロドル売り50,0001.0830(SL1.0880買い)
ユーロドル買い50,0001.0680(SL1.0630売り)
豪ドル円売り50,000103.30(SL103.80買い)
豪ドル円買い50,000101.80
記号・略称解説

ロング=買い、ショート=売り
△=プラス、▼=マイナス
☆新規、★実行済み
SL=損失確定(Stop Loss)
TP=利益確定(Take Profit)

本レポートは朝夕2回配信。土日及び祝祭日は無配信のためSLのみ提示。
指値注文タイムリミット:東京市場 17:00、海外市場 5:00(日本時間)
SL/TPは最大100pips前後を目処に実施。最終のご判断は自己責任にてお願いいたします。

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プロフィール

  • 著者近影 鈴木郁雄(すずきいくお)
    フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネラル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず、デリバティブなどマネー部門を統括。 2001年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーと 親密に情報交換し、投資家心理を交えて独自の分析に定評がある。

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