「日銀、次回会合でインフレ見通しを上方修正」との一部報道を機に、先週は一時“急落(149.749円→148.804円)”する場面が見られました。
しかしただ“150円トライ”が継続するなど、概ね“堅調推移”は続いています。
ただ“上値の重さ”は如何ともしがたく、“150円回復”には至っていないのが実状といえます。
この背景にあるのが、「リスク回避+米金融引き締め長期化(ドル買い)」と「円買い介入への思惑(円買い)」が綱を引きあっているからです。
米国側の動向を見ると『今は政策金利を据え置くべき』とのハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言が伝わるなど、確かに「米年内利上げ」の思惑は後退しています。
しかし『利下げは早くて来年後半』とのボスティック・アトランタ連銀総裁発言等、「米金融引き締め長期化」への思惑は逆に高まっているのが実状といえます。
一方で日本側の動向を見ると、次回日銀会合で「インフレ見通しの上方修正」は想定されているものの、「2%目標達成を持続的・安定的に見通せる状況ではない」とのスタンスを維持する可能性が高まりつつあります。
このため前記「円買い介入への思惑」くらいしか、上値を押さえる要因がないことになります。
突如として台頭した「中東情勢悪化」も、本来であれば“リスク回避→ドル買い・円買い(あとスイスフラン買い)”をもたらす要因といえます。
ただ逃避通貨として円の魅力は、過去に比べれば大きく減退しているという事実は否めないところです。
そうなると現在は“上値の重さ”が目立っているとはいえども、“もう一段の上値模索”は必然と見るのが妥当…?
「円買い介入」が噂される“3日の急落(150.151円→147.380円)”にしても、現時点においても「定かではない」というのが実状となります。
警戒しながらにはなりますが、じわりじわりとした“上値模索”はまだ続くと見たいところです。
少なくとも“崩れる(下落する)”展開となるには、その「円買い介入」を含めて、新たな材料の台頭が必要と見たいところです。
《12:50》
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