前週の『インフレ低下に確信が持てれば、景気回復など無関係に政策金利引き下げが可能』とのウォラーFRB理事発言を機に台頭した「米早期利下げ観測」は、先週も継続しました。
一方で『年末から来年にかけて一段とチャレンジングに』との植田日銀総裁発言は、「日銀緩和政策解除」を強く意識させました。
こうして“ドル売り+円買い”が並立する格好となり、“147円処”で推移していたドル円は一気に“8月7日以来(141円半ば)”へと崩れました。
ただその際のスピードはあまりに“急(143円半ば→141円半ばがわずか数分)”であり、またその戻りも“急(141円半ば→143円後半も数分)”でした。
このため“ストップロス”を絡めたと見るのが妥当なところであり、テクニカル的にも“長い下ヒゲ”を描くに至っています。
いわゆる「セリング・クライマックス」を思わせる動きであることから、その後は“巻き戻し”が先行し、さらに予想を上回った「米雇用統計」の後押しもあって“145円台”に押し戻され、先週の取引を終えています。
こうして大きく動意づいた先週ですが、今週は「米CPI(12日)」「FOMC(13日)」「ECB理事会&英MPC(共に14日)」を控えています。
このため“急落のスタート地点(147円台)”にはまだ戻していないものの、目先については“様子見”になりやすいと考えるのが自然といえます。
なぜなら金融政策については“いずれも据え置き”が確実視されるものの、マーケットテーマはすでに「来年の利下げ時期」に移行した印象が強いからです。
そして「短期金融市場の思惑(織り込み具合)」との乖離が大きい中、その乖離をどちらに寄せるかは結果を見るまでわからない…?
前記「セリング・クライマックス」を思わせる動きであることから、“もう一段の反発(円売り戻しorドル買い戻し)”は十分に想定されるところではありますが、ここから先は“当該水準で膠着(揺れ動き)”と見るのが妥当なところかもしれませんね。
《12:20》
FX・CFD・証券取引・外国為替のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-