日本市場休場で始まった先週は、「米早期利下げ観測」と「日銀マイナス金利解除観測」を巡って揺れ動きました。
まず“鈍化(1年先期待インフレ率3.4%→3.0%)”したNY連銀消費者調査を背景に、週初は“ドル売り”が目立ちました。
ところが“実質賃金のマイナス幅拡大(→△3.0%)”が示された毎月勤労統計を経て、今度は“円売り”が目立ちました。
さらに“強め(総合+3.4%/コア+3.9%)”の米CPIをキッカケに“ドル買い(戻し)”が進行し、しかしながら翌12日発表の米PPIが“弱め(コア前月比±0.0%/同前年比+1.8%)”となったことで“押し戻され”ています。
こうして“143.422円(9日)”へと値を落とした後、“146.409円(11日)”へと駆け上がり、しかし“144.352円(12日)”へと落とされて先週の取引を終えています。
まさに“上を下への乱高下”といえますが、値幅そのものはそれほど大きいとはいい難いのが実状といえます。
冒頭で記した「米早期利下げ観測」「日銀マイナス金利解除観測」についてはどちらも定まっていないだけに、“揺れ動き”はある意味当然といえるかもしれません。
ただ短期金融市場を見れば、「米3月利下げ」の可能性はまだ“約80%”織り込まれたままとなっています。
さらに「年内利上げ幅」に関しても“6-7回”を織り込んだままという状況は、「米早期利下げ観測」へと押し戻されるには相応以上のサプライズが必要と見るのが自然です。
一方で年始の能登半島地震の影響もあって、「日銀緩和策は長期化せざるを得ない」との思惑が台頭しやすいのは否めないところがあります。
今週の注目は“週央以降(米小売売上高&欧CPI:17日/本邦CPI:19日)”となりますので、それらを見るまでは“動きづらい”と見るのが自然といえます。
ただ前記短期金融市場の状況を踏まえれば…?
基本的には“膠着(揺れ動き)”を想定しつつ、幾分“ドル買い(戻し)先行”といった展開を想定したいところです。
今週末に控える「米ブラックアウト入り」を前に、FOMCメンバーの“火消し発言”が飛び出す可能性を鑑みながら…。
《12:35》
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