2日の米雇用統計を機に進行した「米早期利下げ観測後退」は、13日の米CPIでさらに加速しました。
総合(前月比+0.3%/前年比+3.1%)はいずれも“事前予想を上回り”、コア(同+0.4%/同+3.9%)”に至っては“前月以上の伸び”を記録しました。
このため「米早期利下げ観測」はさらに後退する格好となり、米10年債利回りが“急上昇(→4.32%)”を見せる中、“金利選好→ドル買い”は加速しました。
こうして13日に“150円の大台”を突破したドル円は、ストップロスを絡めつつ、“150.883円”まで駆け上がっています。
一方でその後は神田財務官/鈴木財務相による「円安けん制発言」が相次ぎ、“ポジション調整”主体の展開となっています。
「日米金利格差」が解消されたわけではありませんので“ドル買い+円売り”は根強いものがありますが、“上値の重さ”が目立っているのはこのためです。
特に先週末は米3連休(本日は米プレジデント・デーで休場)を控えた週末ということもあり、利益確定売りから“より上値の重さ”が意識され、先週の取引を終えています。
今週は「主だった米経済指標」こそ予定されていないものの、「FOMC議事要旨(1/31-2/1分:21日)」が予定されています。
このため「米要人発言」を含めて、「米早期利下げ」に対する思惑がさらに揺れ動かないとも限らない点には注意が必要といえます。
ただ短期金融市場を見ると、「3月利下げ」の確率はすでに“10%前後”へと低下しており、また「年内利下げ回数」についても“3-4回(0.75-1.00%)”まで低下しているのが実状といえます。
これを“高い”と見るか?それとも“かなり下がった”と見るか?は人によって異なりますが、個人的には“後者”の可能性が高いと考えています。
そうなると“崩れる”かは別にして、“さらなる上値模索”は抑制されると見るのが自然といえます。
もう一つ上値を押さえる(下値を探る)要因として挙げられるのが「円買い介入」であり、事実、神田財務官/鈴木財務相からはすでに「けん制発言」も数多く飛び出しています。
ただ詳細に見ると『急激な相場変動は望ましくない』の段階まで警戒文言は進行しているものの、これまで見られた『ファンダメンタルズを反映していない』は影を潜めています。
こうなると『行き過ぎた投機には断固たる措置を取る用意』辺りまで段階が進まないと、そう簡単に「介入には踏み切れない」と見るのがやはり妥当なところ…?
水準が水準ですので“利益確定売り(ポジション調整)”は入ってしかるべしと見ますが、やはりそれで“頭打ち→反落”と見るのはやはり早計と考えたいところです。
このため“上値の重さ”が目立ったとしても、“下値の堅さ”はそれ以上となり、いわゆる“高止まり”の展開を想定しますが、果たして…。
《11:55》
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