週央までは“全くの膠着”でしたが、週末にかけてにわかに動きました。
キッカケとなったのは、高田日銀審議委員の『インフレ2%目標は実現が見通せる状況になった』発言でした。
これが“日銀・早期マイナス金利解除→そのまま利上げ路線”との思惑を想起させ、ドル円を“149円台”へと押し下げました。
一方ですぐさま『どんどん利上げをするということではない』と発言したこともあり、すぐさま“150円台”へと押し戻されています。
さらに植田日銀総裁の『好循環を確認する意味では春闘が大きなポイント』発言から、日本(円)主導での“下方向(円買い)”は抑制された印象は強まったといえそうです。
ただ米国(ドル)主導となると、まだ“方向感定まらず”を地で往く展開を続けています。
先週末の「ISM製造業景況指数(47.8)/ミシガン大消費者態度指数(76.9)」が“予想を下回った”ことで“米10年債利回り低下→ドル売り”が促される場面は見られましたが、「米早期利下げ」を促すほど悪いわけではありません。
逆に前日に発表された「PCEコア・デフレータ」はFRBがインフレ指標として重要視していることで知られていますが、こちらは“上振れ”こそしなかったものの、“先月より拡大”していることが窺えました。
そうなると“積み上がったドル買い”をさらに後押しする要因とはいえないものの、“巻き戻し(ドル売り)”を継続的に後押しする要因ともいい難いのが実状…?
ただウィリアムズNY連銀総裁は『さらなる金融引き締めは必要ない』と発言しつつも、『今年後半の利下げを予想』とも述べています。
この発言について、これから各経済指標を一つ一つ確認し、検証していくことになるのでしょうが、仮にこの発言が“正”だとすれば「米早期利下げ観測の後ズレ」があっても何ら不思議ではないということになります。
なぜなら短期金融市場で見た「3月利下げ」は“ほぼ消滅”しているものの、「5月利下げ(約28%)」「6月利下げ(約70%)」がまだ織り込まれたままとなっているからです。
つまり“もう一段のドル買い”が進行する可能性は、理屈の上では十分可能ということに…。
“年初来高値(2/13高値:150.883円)”で上値を押さえられ続けていますので、テクニカル的には“容易ではない”と見るのが妥当です。
ただ本日には「日経平均が“史上初更新更新(初の4万円台)」を見せましたが、これは“為替差損回避→円ヘッジ売り”を誘いやすい要因でもあります。
さらに今週は「パウエルFRB議長・議会証言(6-7日)」「米雇用統計(8日)」「英・加・欧政策金利(6-7日)」と重要イベントが目白押しとなっていますので、それらに呼応する格好で大きく振れる可能性が否めないところです。
あくまで“結果次第”であり、それに“一喜一憂”しながらとあっては、“上値は重いが、下値も堅い”を地で往く展開を想定せざるを得ませんが、個人的には“下値が高い”がやや優勢の展開を想定したいところです。
《12:25》
FX・CFD・証券取引・外国為替のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-