注目の日銀金融政策決定会合では、「マイナス金利解除」「YCC政策廃止」「ETF&J-REIT買入終了」の3点セットが決定されました。
ただ「緩和的な金融環境は維持」という文言が声明ならびに記者会見で示唆されたことから、「ハト派寄り利上げ」との思惑が台頭しました。
このため次第に“円売り”が加速し、当日NYタイムには“年初来高値(150.883円:当時)”を更新すると、翌日FOMC前には“151.811円”へと駆け上がっていきました。
一方でFOMCでは「据え置き(5会合連続)」が決定されたものの、金利見通し(ドット・チャート)では「年内3回利下げ(計0.75%)」が中央値から示唆されました。
このため発表後は“ドル売り”が目立ちましたが、加重平均では「年2回(0.50%)利下げ」が示唆される内容だったといえます。
特にスイスが“利下げ”を実施し、欧・英利下げも“米より早い”との思惑が台頭したことで、次第に“ドル買い”が優勢となっていきました。
こうしてパウエルFRB議長のみ“極端なハト派”という点は気になるものの、“円売り+ドル買い”となって、ドル円は“1990年7月以来(151.952円超え)”を窺っているのが実状といえます。
当該ラインはいわゆる「神田シーリング」として意識されているだけに、ファンダメンタルズ・テクニカル共に重要な要所といえます。
その点は政府・日銀も重々承知しており、今朝方も『介入の準備はすでにできている』と神田財務官は発言しています。
つまり「円買い介入」を睨みながらの展開は否めないものがありますが、一方で週足を見ると、「アセンディングトライアングル」が形成されています。
レジスタンスラインが“横ばい(152円手前)”なのに対し、サポートラインが“切り上がり”という形状は、上昇トレンド中によく見られる形状ではあります。
ただその真意は“売り圧力に跳ね返され→買い圧力が徐々に強まる”を地で往く動きといえます。
さらに今回のトライアングルは“間隔が狭く”なっているだけに、買い圧力は“より強まっている”という可能性も高い…?
今週は日本が年度末となりますので、政府・日銀は“過度な変動”をいつにも増して警戒している節があります。
このため“おっかなびっくり”とした上値模索になりやすく、“勢いに欠く”というのも否めないところがあります。
ただし直近の動きは“円売り<ドル買い”の色合いが強いとあっては、日本側のみの意向は反映しづらいと見るのが妥当なところ…。
目先の突破は容易とはいい難く、“もうしばらく時間がかかる”といった可能性も高そうに思いますが、“下値の堅さ”をより意識しながら、次なる材料の出現を待ちたいところです。
《12:20》
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