あけまして おめでとう ございます。 今年もよろしくお願いいたします。
次回更新は1月10日(水曜日)を予定しており、それ以降は通常の毎水曜日更新に戻ります。
世界の金融市場は1月2日から開始、年明け早々から、ドル円は堅調に推移している。日本の正月休みの薄商い市場を狙ったフラッシュクラッシュ(ドル円暴落)を警戒していたが、これまでのところ無事に通過、ホッとしている。しかしドル円は2日間続伸、2023年大引け140.89円に対し、1月2日から2連騰、今日のNY市場では一時143.73円と約2週間ぶりのドル高水準まで上昇した。現在(NY時間1月3日午後1時30分)は、143.55円前後と反落している。
ドル高はドルインデックスでも同様、102.67台と3週間ぶりのドル高となった。この背景は米ドル金利の上昇である。米10年債の昨年末引け値3.866%に対し、現在は3.95%前後、1月2日には一時4.023%と3週間ぶりに4%を越えた。米景気の底堅さを意識する値動きと考えたい。
また、今日発表になった二つの経済指標も、その見方を後押しする形になった。11月JOLT(雇用動態調査)の求人数が879万件と前月(885.2万件)より低下、また12月ISM製造業景況感指数が47.4と前月(46.7)より回復、予想(47.1)よりも上昇となったことだ。ただ、本格的なドル円の方向性を決めるためには、今週末5日の雇用統計を待ちたい。ちなみに市場予想は、非農業部門雇用者数は、+17万人と前月の+19.9万人より減少、失業率は3.8%に上昇(前月3.7%)となっている。同じ5日には、ISM非製造業景況感指数(市場予想は前月52.7と変わらず)も発表になる。
さて、下記は新年に発表する筆者恒例の「干支で読む相場展望2024」である。
1. キーワード:相場変動要因となる言葉、項目
「D」Difference(差):日米金利差、中央銀行の金融政策差
Dollar(米ドル):米国の国益論、衰えない6割の力、ドル離れの動き
「R」Recession(景気後退):米国、欧州(特にドイツ)、中国等、政策金利に影響
「A」America, Asia(政治):米国の対外政策変化に留意、アジア太平洋奪い合い
「G」Geo-Politics(地政学):有事の発火点、Global Southにも留意
「O」Oil、OPEC+(原油、中東):価格高騰戦略(減産、海峡封鎖等)に要注意
「N」New Frontier(新興国):インドの躍進、ベトナム、アフリカの台頭
2. リスク:ブラックスワンへの警戒
「D」Debt(債務):米国では債務天井/予算問題による政府閉鎖危機
中国の異変、低迷(2024年最大の注目点になる可能性)
「R」Russia(ロシア):大統領選挙睨んでの厳しい覇権戦略
「A」Atom(核):戦争の拡大への危機
「G」Global Warming(温暖化):世界的大規模自然災害への対応
「O」Optimism(楽観主義):危機管理に悲観主義も合わせもつ
「N」New President(もしトラ):米大統領選挙への備え
3.投資戦略:上記1,2を念頭に置いて活用
「D」Diversification(分散):長期、国際(通貨、地域)、時間(積み立て)
「R」REIT(リート):不動産投資信託などの高配当狙い
「A」All Country(オルカン):投資商品選択の例、AI にも注目
「G」GOLD(金):不安定化で高まる需要と史上高値更新予想。
「O」Off-Market(アノマリー):見えない市場を読む。人の行く裏に道あり…
「N」NISA(新ニーサ元年):貯蓄から投資へ抜本的な拡充(恒久化と投資枠拡大)
「リスクのないリスク」への考慮
なお、これらのうち、代表的な項目、言葉については次号以降適宜、掘り下げていきたい。
さて、今後1週間の相場予想だが、ドル円は買われたら売りの姿勢と考え141-144円と予想、ユーロドルはユーロ金利の低下を背景に1.0800-1.1050と軟調推移を予想、また対円では155.00-158.00円と小幅ユーロ安を予想、そして英ポンドドルは1.2550-1.2850とポンド高を予想する。
(2024/1/4、 小池正一郎)