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第614回 ~不確実性とドルの行方~

2025年02月12日

**最初に、先週のコラムで一か所間違いがあったので訂正します。トランプ大統領が購入したいとして示した国をアイスランドと書きました(第3段落2行目)が、正確には「グリーンランド」が正しい国名です。訂正します**

さて、今週は「不確実性と米ドル」について考えてみたい。そのきっかけは、先週「不確実性の時代に輝く金」を演題にした勉強会に出席したことだ。その時点の金のスポット価格は2,880ドル(1オンスあたり)を超え、毎日のように史上最高値を更新していた。15年以上金の積み立て投資を続けている筆者としては「これはバブルではないか」と先行きに懸念を抱いていたので、まさに願ってもないタイミングであった。

中でもタイトルにある「不確実性」という言葉に強く惹かれた。なぜなら、トランプ大統領が就任して以来、頻繁に聞く言葉であるからだ。すべてはトランプ大統領の関税政策に端を発している言葉で、今年は「不確実性に打ち勝つ、または、付き合う」ための運用戦略が必要になっている。これまでも「リスクを感じたらリスクオフ」として、元本が維持される安全資産への投資へのシフトが行われてきた。その代表格が「金」と言うことになる。

そこで、トランプ大統領が就任した今年1月20日(始まり値)以降、今日2月12日(東京時間)までの通貨別の相場変動率を調べてみた。騰落率(始値と終値の比較)、と期中変動率(高値と安値の比較)は以下のとおりである
・金:    +7.1% <変動率は9.4%> 
・米ドル円: -1.7%(円高) <3.7%>
・ドルインデックス: – 1.3% (ドル安)<3.1%>
・ユーロドル:   +0.9%(ユーロ高)<3.2%>

比較すると金相場の上昇速度の異常ぶりは一目瞭然である。金のスポット価格は、高値(2月11日)は、2,942.70ドル、これまでの高値2,790.05ドル(2024/10/31)を越えたのが今年の1月30日、そこから毎日のように上昇を続け、11営業日の内9日間で史上最高値を更新した。さすがに行き過ぎと受け取られて、昨日高値を付けた後、反落し、今日も2.890ドル割れまで下落している。3,000ドルを意識した動きであろうが、市場ではいずれ近いうちに3,000ドルは超えるだろうとの見方が勝っている。専門家の説明を聞いて、筆者もその仲間入りをしている。 ちなみに、今日も海外から、金の高騰でますます供給が需要に追い付かなってきているとの情報が届いた。

不確実性の時代に、ドルの行方はどちらに向かっていくのだろうか。前記の騰落率を見ると、短期間の限られた期間であるが、ドルは下落歩調となっていることが分かる。以前は「有事のドル買い」と言われたが、今でも有効であろうか。先週ベッセント財務長官がブルームバーグのインタビューで、「トランプ政権下でもドル高政策は維持される」と発言しているが、見方を変えれば、米国に資金を呼び込むためには、こうでも言わなければならないことが目に見えているのだろう。これから債務天井問題など、ドル安要因が続くことが容易に想像できる。
現在のドル高は、インフレ見通しをベースにした金利高に頼っていることがある。今日の米国消費者物価の発表が注目される。予想は年率で、総合は2.9%(前月と変わらず)、コアが3.1%(前月が3.2%)となっている。

そこで、今後1週間の相場予想では、ドル円は151.80-154.80円と円強含み維持と予想。またユーロドルは1.0250-1.0550と先週とほぼ同じ、ユーロ円は157.00-161.00円と予想する。そして英ポンドドルは1.2350-1.2600の若干のポンド安を予想する。

(2025/2/12、 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・SBI新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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