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YEN蔵の外国為替見聞録

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米長期金利の上昇でもドルの方向性はまちまち

2020年10月23日

新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント


【メキシコの材料と予測

メキシコへの外国からの直接投資が回復しています。6月までの外国企業の直接投資は179億ドルと前年同期と比べて0.7%の減少にとどまりました。実体経済が減速する中でも直接投資が踏ん張っているのは米国、カナダとのFTAであるUSMCAが7月に発効したことで外国企業が投資に対して前向きになっていることが影響しているのかもしれません。
日経新聞によるとトヨタは小型ピックアップトラックの増産に1.7億ドルの資金を投資、フランスの航空部品大手サフランは新工場建設に1000万ドルの投資を行います。
とはいえコロナウィルスの感染拡大により実質経済成長が大きくマイナスになっている。またロペスオブラドール大統領は民間投資に対して積極的ではなく、また財政出動にも前向きでないために政策のリスクが投資家にとってはマイナス材料になっています。
海外からの投資がコンスタントに入ること自体はペソの買い材料になります。

USD/MXN 日足BIDチャート

ドルメキシコペソは21日に20.9762ペソまで下落しましたが、一時21.2139ペソまで上昇後に21.07付近で推移しています。ドルメキシコペソは9月18日に20.7349ペソまで下落しました。
日足で見ると500日移動平均線が20.7272ペソに位置し長期的なサポートとして重要です。一方レジスタンスは短期的には一目の転換線24.2470、20日移動平均線が21.3649、250日移動平均線、一目雲の下限が21.4672、20.5024に位置し、このレベルが中期的なレジスタンスとして機能しています。20.72~21.50のレンジが想定されます。

MXN/JPY 日足BIDチャート

ペソ円は20日移動平均線の4.927円、一目均衡表の雲の上限の4.9円付近がサポートとして機能しています。一方で25日移動平均線の5.022円付近が長期的なレジスタンスとして機能しています。9月4日の安値4.644円からの中期的な上昇トレンドがもみ合いになり長期の250日線で止められています。4.9~5.0円のレンジが予想されますがレンジをブレークしたときは6月5日の高値5.10円、一目の雲の下限4.83円への下落を予想します。


【トルコリラの材料と予測

トルコ中央銀行は22日の金融政策委員会で政策金利の1週間物レポレートを利上げの予想に反して10.25%に据え置きました。後期流動性貸出金利を13.25から14.75%に引き上げました。トルコ中銀は先月の利上げ以降も1週間物レポレートでの借り入れを制限し、より高い金利での調達に導くことで引き締め姿勢を維持していました。
しかし政策金利の据え置きにマーケット失望からトルコ売りが加速しました。

USD/TRY 日足BIDチャート

ドルトルコリラは一時7.9760リラまで上昇し、10月14日の高値7.9548リラを上抜けしましたが7.9206リラ付近で推移しています。
7.8129リラ付近に20日移動平均線が位置しています。ここが維持された場合は7.8129~8リラのレンジを予想します。

TRY/JPY 日足BIDチャート

リラ円も下落トレンドが続いており、13.085円と安値まで下落しました。20日移動平均線の13.458円、一目均衡表の基準線の14.55円付近がレジスタンスとして機能しています。ここを上抜けできないと下落トレンド継続と予想します。


【南アランドの材料と予測

株価が安定しない中でリスクオフの流れで新興国通貨は下落していますが、南アフリカランドは堅調に推移しています。
南アフリカのコロナウィルスの感染者数は708,359人と世界で12番目です。死者数も18,741人と世界で14番目です(。ジョンズホプキンス大学のHPより)。
ガソリン車から出る窒素酸化物の除去に使うロジウムの価格が1トロイオンス14,640ドルと史上最高値まで上昇しました。
ロジウムはプラチナの副産物として産出され、世界で年間25トン程度の産出で、その80%が南アフリカ産です。

USD/ZAR 日足BIDチャート

ドルランドは250日移動平均線の16.4414を下抜けし16.2230付近まで下落しランド高が続いています。一目の転換線が16.4643、20日移動平均線が16.5465、一目の基準線が16.6661、一目の雲の下限が16.7073に位置し、このレベルが短期的なレジスタンスになっています。9月18日の安値16.0736付近が短期的なサポートとして意識されます。

ZAR/JPY 日足BIDチャート

ランド円は一目均衡表の転換線の6.378円、20日移動平均線の6.362円、付近が短期サポートになっており、ここが維持できれば9月18日の高値6.495円、7月22日の高値6.54円を試しに行くと思います。長期的には250日線の6.561円付近を上抜けできるかどうかが重要になります。

チャート、レンジ23日の0時までの分です

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プロフィール

  • 著者近影 YEN蔵(田代岳)(えんぞう(たしろがく))
    投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。 為替を中心に株式、債券、商品、仮想通貨と幅広くマーケットをカバーして、分かりやすい解説を行っている。


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