新興国通貨 四本値 フィボナッチリトレースメント ピボットポイント
【中銀のタカ派スタンス維持でも弱含み】
17日にトルコ中央銀行は予想通り政策金利を19%に据え置きました。声明文では現状の引き締めスタンスは4月のインフレレポートで示した予想に沿って大幅に低下することが確認されるまでは断固として維持されると述べました。声明文全体は5月のものと概ね一致しましたが、断固としてという文言が入りタカ派的なスタンスを示しました。
トルコ中銀のタカ派的スタンスにもかかわらず、エルドアン大統領の介入リスクや原油価格の上昇などがリラ安の材料になっています。
USD/TRY 日足BIDチャート
ドルトルコリラは21日に8.791リラとリラは最安値まで下落しました。20日移動平均線が8.5893リラに位置し、このレベルが短期的なサポートになっています。ここを下抜けすれば一目均衡表の雲の上限の8.3リラ付近への下落を予想します。
TRY/JPY 4時間足BIDチャート
リラ円は12.481円まで下落しましたが、ドル円の上昇もあり12.884円まで反発しました。一目均衡表の雲の下限である13.065円あたりが短期的なレジスタンスとなり12.481~13.065円付近のレンジが予想されます。
チャートは日足、一目均衡表、5,20,60日移動平均線、RSI、MACD、ADX
【資源価格の下落もランドの重しに】
FOMCがタカ派的なスタンスを示したことと、プラチナ価格など貴金属価格が下落したことなどがランドの下落材料になりました。
一方で今後は南アフリカ中央銀行のタカ派的なスタンスがランドのサポート材料になる可能性があります。前回5月20日の会合ではインフレ見通しのリスクを均衡からアップサイドに引き上げています。政策金利見通しも2021年末で4.07%、22年末で5.02%、2023年末で6.11%に引き上げられました。
USD/ZAR 日足BIDチャート
ドルランドは6月7日に13.3891ランドまで下落した後に21日に14.3927ランドまで上昇しました。
前回高値の14.50ランド付近が短期的なレジスタンスとなり、ここがけなければ14~14.50ランドのレンジを予想します。
ZAR/JPY 日足BIDチャート
ランド円は6月7日に8.162円まで上昇後にFOMCを受けて7.9円付近を下抜けし21日に7.611円まで下落しました。
一目均衡表の雲の上限である7.644円付近がサポートし7.826円まで反発しています。下下落前のサポートである7.9円付近が短期的なレジスタンスとなり7.6~7.9円のレンジを予想します。
チャートは日足、一目均衡表、5,20,60日移動平均線、RSI、MACD、ADX
【利上げに動いたメキシコ中銀】
24日の会合でメキシコ中央銀行は政策金利を0.25%引き上げて4.25%としました。利上げは2018年12月以来2年半ぶりとなります。市場の予想は据え置きだったのでサプライズとなりました。
5人の委員のうち2人は据え置きを主張しましたが、3人が利上げ賛成となりました。
声明文ではインフレ見通しへの悪影響を避けるための利上げを行ったとしています。
USD/MXN 日足BIDチャート
メキシコ中銀の利上げを受けてドルメキシコペソは19.7069ペソまでドル安ペソ高となりました。
直近安値は6月9日の19.5881ペソとなり、このレベルに迫っています。短期的には一目均衡表の雲の下限が位置する19.9847ペソ付近がレジスタンスとなり、そこを抜けると基準線の位置する20.1637ペソ付近もレジスタンスとなります。このレベルが抜けなければ19.5881ペソの安値を試しに行く流れになると思います。
MXN/JPY 週足BIDチャート
ペソ円は6月9日の高値5.578円を上抜けして5.619円まで上昇しました。ペソ円は一時5.299円まで下落しましたが、中期的なサポートレベル5.25円が維持され反発しました。
短期的には一目均衡表の雲の上限の5.46円付近がサポートと思われ、ここが維持できれば上昇トレンドは継続と思われます。
チャートはドルペソは日足、ペソ円は週足、一目均衡表、5,20,60日移動平均線、RSI、MACD、ADX