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第423回 ~豪ドルでみる相場のサイクル~

2021年03月03日

 ドル円は想定通りの動きだ。過去一週間は105.27~106.95とほぼ予想(105.20~107.00)通りのレンジで推移し、ユーロ円も127.93~129.97と予想(128.00~130.00)通りだった。今後ドル円は、心理面、経済面、チャート面で、108円に向かって歩を進めていくと予想している。ただ、ユーロ、ポンドに対しては予想していた以上にドル高が進んだことで、ドルは、円とそれ以外の通貨の関係が一律でないことが示された。

 今回のドル高は、もともとは、米金利動向に左右されたものだが、変動要因が一時的なものでないので、この傾向はしばらく続くと考えている。バイデン大統領の大型財政支出案の下院承認やワクチン接種の加速を背景に、米10年債利回りが続伸しているもので、景気回復期待は当面維持されていくとみている。それは、イールドカーブのステープニング(傾斜が立ってくる状態)が進んでいることでも想定できる。現在は7年債(1.068%)より先から利回りが昨年(7年債0.888%)より上回っている。

 また、相場はサイクル、流れが変われば、しばらくはそのサイクルを維持して推移することが経験的に多い。例えば、豪ドル円の推移をみると、長期的なサイクルであるが、大きく言えば「100円と60円の間」を、実に綺麗に繰り返している。時代時代により、相場変動要因は異なっているが、変動幅には一定のルールがあるがごときに読みやすい。

 過去30年でみると、1991年11月に102.77円(その後1992年4月に103.02円)の天井を付け、95年5月に59.29円まで下落した。それから約2年後1997年4月に99.16円まで急伸した。これ以降現在まで、60円割れ3回(2000年10月、2008年11月、2020年3月)で、100円台は2回(2007年7月この後は90円割れの後再上昇で2008年7月に100円超え、2013年4月、ただしこのケースも90円割れ後に再上昇し2014年11月の100円超え)という展開であった。

 またこれまで80円が中間点であることから、上がるとき、下がるときとも80円前後でもみ合うことが多いことも特徴だ。前回の上昇時は、リーマンショックで55.56円(2008年11月)まで急落した後、アベノミクスが始まる(2013年)まで長い期間80円ばさみで3回上下動を繰り返したこともあった。

 さて、現在は84円前後だ。相場的には2020年3月の安値(59.87円)から100円に上昇している過程と読める。豪ドルの強さは、世界経済回復予想を背景としたものだが、鉄鋼などの原材料輸出増加期待やコモディティ価格上昇などが材料視されている。ただ、同じく移動平均線との乖離幅をベースとした修正も起こっていることから、短期的には、75~77円程度まで下落していくことも考えられる。

 さて、今後1週間の相場見通しは、ドル円は105.80~107.80円を予想。ユーロはECB理事会を前に神経質な展開となり、対ドルで1.1980~1.2180、対円では128.50~130.50円と予想。一方、英ポンドは、1.3800~1.4100と予想する。

(2021/3/3, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・SBI新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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